この怖い話は約 3 分で読めます。

少し遠くで、空き地の真ん中で野焼きをしている地元のオジさんがこちらを見ているのに気付いた。
気になっている人を目で追う。…と言うのでは無く、正しく、注視するように、両眼でこちらを見ているのだ。
帽子を被って、タオルを首に巻き、軍手を二枚重ねていた。両眼でじっとこちらを見ていた。

195 本当にあった怖い名無し sage New! 2012/01/29(日) 23:14:56.05 ID:2Xbwb22w0
神社の隣に地蔵って珍しいね
お寺さんの傍らにはよくあるけど
お地蔵さん=地蔵菩薩、仏さんだから

196 本当にあった怖い名無し New! 2012/01/29(日) 23:16:16.17 ID:i950x+u10
僕が写真を撮っていたのは、地元の神聖な場所だったのかも知れないし、
まずフラッと軽装でやって来た若い男が信用出来る存在では無い。と言う理屈は、痛い程分かる。
しかし、特に何かを言うでもなく、近づいて来る訳でもなく、ただ注視されている視線だけを感じた。
距離にして、30mくらいだろうか? 知らぬフリを決めこめる、そんな距離感だった。
僕は、努めて怪しくないフリをしながら普通の速度で歩き、そしてその場所を去っていった。

さてその後、僕は数十kmほどを車でまた走って行く。
その中で風呂に入り、飯を食い、今日の「キャンプ地(つまりは一晩の路駐が出来る、静かな場所)」を地図を見ながら探す事にした。
人様の私有地ではない事や、静かである事、DQNが来ない事、多少の安心感、等を考慮しながら探さねばならない。

その日選んだのは、キャンプ場だった。
公営の施設のようで、市役所の電話番号が書かれていた。
現地まで車を走らせ、下見を済ませた。
キャンプ地を見つけた僕は、その日の夕飯と、朝食、その日の晩酌用の酒を買いに、また車を走らせる事にした。
その公園に入るためには一本の橋を渡る必要があり、橋を渡らねばその公園に入る事は出来ない作りになっている。
細くて、古い橋だ。
しかし、車一台がなんとか通れる幅の、見通しの良い橋だった。

206 本当にあった怖い名無し New! 2012/01/29(日) 23:35:39.68 ID:i950x+u10
僕が車でその橋を渡っている時、橋の向こう側に人が立っていた。
街灯もなく、運転席から見て反対側に立つその人は恐らくは、僕の車が橋を渡り切るのを待っているのだろう。
通り過ぎるまで全然気付かなかったのだが、中年の男性で作業服を着て軍手をしていた。
僕は車を走らせながら、その中年男性の事を考えていた。
きっと、あの人は市の管理職員の人だろうと思ったし、
きっと、あの施設には常駐の管理部屋みたいな所があるのだろう。とも思った。
ともかくも、コンビニから帰って来てから、その管理職員さんに挨拶しなければいけないなと、思っていた。
公園の入り口の注意書きに「施設を利用される際は、以下の電話番号(市役所・観光部内)に電話して下さい」とあった。
挨拶をしとかないと、酒を飲んでからゴタゴタするのもイヤだったので、
とにかくその中年男性の事が気になっていた。
なんと言うか、不思議だったのだと思う。

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bronco

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