この怖い話は約 3 分で読めます。

鳥居の奥の山へ登っていく石段を見上げると、わたしは急に、
その先に何があるのか急に気になりだしました。
スーザンも同じ思いだったらしく、わたし達は、何も言わずに石段を登り始めました。

石段はすぐに終わり、普通の山道になりました。
木で日光がさえぎられ、とても涼しくて良い気分です。
さらに上へ上へと足を進めていくと、また小さな鳥居があり、再び石段が始まりました。
鳥居の横には石碑が建っており、神社の名前が書いてありました。
わたし達が最初に入った大きな神社とは全く違う名前です。

434 留学生と神社6 sage 2007/12/29(土) 11:56:03 ID:GQE8fPqI0
地面が濡れていて、さすがに四つんばいで潜るのは気がひけたので、
鳥居の外側を回り、更に石段を少し昇ると、人影が見えました。
二人組みの子供です。

近づいていくと、二人の子供たちが小さな声で何か歌っているのが解りました、
それと同時に、その歌声から、その二人組みが子供ではなく、小さな老婆であることがわかりました。

わたしたちに気づいているはずなのに、彼女たちは歌をやめる気配は全くありません。
歌は、聴きなれない言葉がちりばめられていて、
「どうかあと10年生かして欲しい」といった内容で「ありがたき」という単語が
何度も出てくる不思議なものでした。

石段がある坂の左手に小さなお堂があり、老婆たちは、そこへ向かって手を合わせています。
老婆達は、この暑さの中、毛糸で編まれた厚手のカーディガンを着ています。
老婆たちの背中越しに、わたしも、そのお堂に向かって手を合わせました。
わたしの動きにつられて、スーザンも手を合わせます。

お堂には、茄子やピーマン、キャベツといった野菜が大量にお供えされています。
その上の段には、大豆のような形で、表面がガタガタの球体がありました。
大きさはバスケットボールよりも、二周り小さいくらいの小さいくらいでしょうか。
どうやら石でできているようで、光沢感があり、木の間から差し込む光に反射しています。

435 留学生と神社7 sage 2007/12/29(土) 11:57:02 ID:GQE8fPqI0
歌が終わると、老婆たちは、わたし達のほうを振り向きました。
老婆達の顔をみて、一瞬ぎょっとしました。
彼女達の顔が真っ赤だったんです。朱色と言えば伝わりやすいでしょうか。

老婆たちは、不思議な化粧をしていました。
眉間のあたりから、眉の上を経由して、あごを通って顔全体を一周するように、
口紅のようなものを塗っていたのです。
最初は血か何かだと思い、かなり驚きました。

驚きのあまり、「こんにちはー」と声を上ずらせて挨拶すると、
老婆達は、さっきの神主と同じように聞き慣れないイントネーションで話しかけてきます。
最初に年齢を聞かれました。老婆たちの言葉は今となっては細かく思い出せません。
「何歳か?」という問いに、「23歳です」と答えると、
「まだ若いので、これ以上、石段を登るのは、バツをほうず(る?)」
と言われました。細かい言葉までは覚えてないのですが、
”バツをほうずる”というフレーズだけ頭に残っています。

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bronco

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