この怖い話は約 3 分で読めます。

「A先生はヒーローみたいな存在で俺たちを護ってくれてたんだよ」

とか誰かに話そうと思ったが、俺は今まで守ってくれてた人をおかしな人呼ばわりしたり、悪戯の犯人に仕立てあげてたのだ。
そう思うと心が痛くなった。
誰かに話す気はすぐに失せた。
罪悪感が強く残った。
忘れもしない。
担任もそれを俺たちにわかって欲しくて、多分この話をしたんだと思う。
学校ではA先生を採る前などは、プール開きの日にお祓い。
何か変なことがあると夜にお祓い、など一時しのぎを繰り返してたそうだ。

翌日、Bさんは行方不明になった。
正確には家族ごといなくなったそうだ。
夜逃げかな?

「魅入られたか・・・」

と言った住職爺さんの言葉はBさんに向けての言葉だったのかもしれない。
その後俺たちの中でこの話をしなくなったし、クラスでA先生の話が出ても無視することを徹底した。
今でもこの学校はあるし、俺が卒業するまでに溺れた人が結構いたから、多分プールの怪異もまだ続いてると思う。

以上です。
『憑き護』についてですが、説明不足だったようです。
話自体が長くなってしまったので省いたせいです。
すまん。
俺も物心ついてからそういったモノに興味を持っていたので、色々気になって調べようと思ったのですが、ググったり図書館で文献など探しても出てきませんでした。
二年ほど前に小学校の同窓会があり、当時の担任も出席していたので、話しにくかった事ですがもう月日が経ってたので憑き護について聞きました。
ただ、担任も人にちょこっと聞いただけなので詳しくわからないそうです。

『憑き護』
現代の通称で忌み言らしく、表に出て来ない言葉だそうです。
今の時代では憑き護本人が、憑き護だという事実は知らないそうです。
人によっては親から子に継がれて知ってる人もいるのかもですが。
大昔には憑き護は別の名称で呼ばれており、(その名称を話すと地域が限定されてしまうので伏せます)厄災や飢饉などが起きた時に生贄として扱われていたそうです。
憑き護といってもピンからキリまであるらしく、避雷針として効果の強い人はそのまま何もないように生活していくそうです。
ただ、詳しくは不明ですがお寺だか国の何かだかに憑き護の家計は記録されてるらしく、霊の発祥が強い場所に何らかの理由を与えてその近くに引っ越させたりしているらしいです。
あと、一定期間に強く念が発生する場所には会社の出張とかで合わせて期間の間だけその場に居させて念を鎮めさせるとかも聞きました。(会社で意味のない出張をさせられた経験のある人は実は憑き護かも)
効果の弱い人の場合、家計の古い人が自分は憑き護の家計だと知っている時には、避雷針の立場になる前にお寺などに連れて行き、表向きには心の修行ということで滝打ちや禅などを行わせて、実際にはお寺にいる間に避雷針として強くするそうです。
効果が弱くて、家計についても知らない人は、残念ながらA先生のようなパターンになったりすることが多いそうです。
勿論普通に生活できたりもするようです。

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