Categories: 洒落怖

きょうこさん

この怖い話は約 3 分で読めます。

そして、気がつくと車を運転しており、そのまましばらく行くと、見慣れた
アスファルトの道路にようやくたどりついたのだ。
まさに九死に一生というか、なんとかあの世の一丁目ともいうべき場所から
解放された瞬間だった。

803 本当にあった怖い名無し 2008/02/05(火) 02:40:07 ID:v2UsNMmc0
ここまで書き進めて、この話を読んでくれた方々は、「それはいかに言っても
ネタ話だろ?」と思うかもしれない。
しかし、紛れもない彼女の実体験なんです。
しかも!彼女の恐怖はこれだけじゃすまなかったんです。
なんというか、そのダムにまつわる因縁めいた後日談というか・・・

その晩、彼女はほうほうの体で帰宅し、何気なく自分の所持品を調べたそうで
す。すると大事なものが無くなっている。彼女はその日の朝まで持っていた
はずの運転免許証を紛失していることに気がつき、その日のうちに、再発行
の手続きをするために、警察署に行ったんだそうだ。
信じられないことがあったのはまさにこの後から。

804 本当にあった怖い名無し 2008/02/05(火) 02:48:29 ID:v2UsNMmc0
警察署に行くと、幸運にも紛失した彼女の免許証は落し物として届けられて
いた。彼女は安堵しつつ、引き取りの手続きをしようとした。
ところが、その運転免許の顔写真が彼女の写真ではなく、まったくの別人の
顔に変わっていたというのだ。
当然、警察では偽造とか犯罪の可能性もあるので、彼女の免許証をしばらく
あずかり検査したのだが、これが写真が本人と入れ替わっている事実は別に
して、まったく偽造した形跡がない正真正銘の免許証だったのだ。
後日、警察を通してわかった事実なのだが、その顔写真の主とは、彼女が
恐怖体験をした日にテレビを配達に行ったF家というお宅の娘さんで、名前
は「きょうこ」さんだったのだ!しかもその顔写真の主は、2年前に彼女が
怖い目に会った場所の近辺で交通事故死していたというのだ。

805 本当にあった怖い名無し 2008/02/05(火) 02:57:33 ID:v2UsNMmc0
ここからは、すごく因縁めいた話になるのだが、そのテレビを買われたF家の
お婆さんという人は、その近辺の豪農の娘で、若い頃、自分の実家と折り合い
が悪く、駆け落ち同然で、家を飛び出したんだそうだ。
駆け落ち後はずっと長い間、東京に住んでいたらしいのだが、偶然にもその
娘さんがY県のお婆さんの実家のある町の人と結婚し、年をとったからという
ので、娘さん夫婦に引き取られる形で、自分の生まれ故郷に戻ってきてたらし
い。そして、亡くなったきょうこさんとは、お婆さんの娘さんの子供、つまり
孫にあたる女性で、亡くなった時の年齢は、恐怖体験をした彼女と同じで
あったとのことだ。
なんでも、その方の実家である家(つまり彼女が導かれて迷い込んだ幽霊屋敷)
はとうの昔にダムの底に沈んでいるというのだ。

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