Categories: 山の怖い話

顔を覆う少女

この怖い話は約 3 分で読めます。

Aはちょっとムカついたのか「ふざけてないで親のところに帰れよ!」とちょっと
強い口調で言いながら女の子の手を掴んで顔から離した瞬間、俺たちはAの
陰になって見えなかったのだが、女の子の顔を見たらしいAが突然
叫び声をあげその場に倒れ痙攣し始めた。

そして女の子はまた両手で自分の顔を覆い、今度は俺たちのところへ歩いてきて
またケラケラと笑いながら「見たい?見たい?」と言っている。
俺とBとCはかなり混乱したが、それよりもAがヤバそうでAのところに向かい
「おいA大丈夫か?声聞こえるか?」と呼びかけたのだが、Aは呼びかけても
反応が無く、まだ僅かに痙攣している。

257 3/7 sage New! 2012/05/03(木) 01:46:37.68 ID:HPNJqzKn0
Cが「おいなんかAやべーよ、それにあの子供なんだよ!わけわかんねーよ!」と
いうと、女の子に掴みかかろうとしたので、俺はさっきの事もあってCもAのように
なったらやばいと考え、Cに「やめろって、それよりAだ、あいつをまずテントに運び込もう」
と説得し3人でまだ意識の戻らないAをテントに運び込んだ。
その間も女の子は俺たちのほうを向き「見たい?見たい?」とケラケラ笑いながら
質問し続けていた。

テントの中に運び込んだ頃にはAは痙攣こそしなくなっていたが、まだ意識は戻らず
呼びかけにも答えない、仕方なく3人でこれからどうするべきかを考えたのだが、
もう既にかなり暗くなってきているのでAを連れて夜の山道を歩くのは危険と判断し、
携帯で警察に電話をして助けてもらう事にした。
その間、女の子はテントのすぐ横にやってきて、今度はまた最初の頃のように
「てー…」と声を発している。

女の子の方も気になるし怖いが、それよりも全く意識を取り戻さないAが心配だった
俺たちは、警察に連絡しようと携帯を取り出したのだが、昼間確認したときには
通じていたはずなのに、今見てみると圏外になっている、BとCも同じで、Aの携帯も
確認してみたのだがやはり圏外だ。

かなりやばい状況になってしまった。
Aがこんな状態では下手に出歩けないし、何より外にはなんかやばそうな女の子が
いる、かといってAをこのままにはしておけない。
外からはまだ「てー…」という声がすぐ近くから聞こえてくる、どうやら俺たちを諦める
気はやつには無いらしい。

258 4/7 sage New! 2012/05/03(木) 01:48:18.67 ID:HPNJqzKn0
するとBがかなり落ち着いた口調で外の女の子に対して「お前何なんだ?Aに何したんだ?」
「俺たち何かお前の気に触るような事をしたのか?そうなら謝るから許してくれよ」と説得する
ように呼びかけたのだが、まるでそんな事は意に介さないのかまた「見たい?見たい?」とケラケラ
笑いながら質問してくるだけだった。

Page: 1 2 3 4 5

bronco

Share
Published by
bronco

Recent Posts

迷い

霊とかとは全然関係ない話なんだ…

4年 ago

血雪

全国的にずいぶん雪がふったね。…

4年 ago

母親の影

私が小6の時の夏休み、薄暗い明…

4年 ago

閉じ込められる

彼はエレベーターの管理、修理を…

4年 ago

彼女からの電話

もう4年くらい経つのかな・・・…

4年 ago

テープレコーダー

ある男が一人で登山に出かけたま…

4年 ago