この怖い話は約 3 分で読めます。

737 本当にあった怖い名無し sage New! 2012/07/08(日) 02:57:22.74 ID:6V6E9Pij0
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「て…くだ…い」「…る…してくだ…い」…ゆるしてください?うまく聞き取れなかったが、
たぶんそんな事を言ってたと思う。なんか、Kが取り付かれたようにずっと謝罪をし続けている…
俺は、このままじゃ危ない、今までの経験からして悪い前兆だと即座に解かった。
「K!そいつの言う事を聞くな!!!」「何も答えず、今すぐそこから抜け出せ!俺がついとる!!」
と叫び、ダッシュで上の階へと急いだ「俺がついとるぞ!!」自分に気合を入れる為に叫びながら3階のある部屋に行くと
そこには―Kの変わり果てた姿があった…
Kは衣服を身に着けておらず、全身裸を晒した状態で、背を曲げて立っていた。さらに、
その周りを5人くらいの人影に囲まれていた。体格が良く、この部屋だけ妙に香水臭い
「おいこっちこい」男達の一人に呼ばれた俺は、おとなしくKのとなりに立った

738 本当にあった怖い名無し sage New! 2012/07/08(日) 02:58:19.46 ID:6V6E9Pij0
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Kは小さな声で泣いていた。ここから、囲んでいる男の一人と俺との問答か続く
「肝試し?」「…はい」「年は?」「…20です」「ふーん…」
「あのさ、ここ私有地」「はい?」「私有地だよばか、お前ら勝手に俺の土地に入ってんだよ」
「…」「メンバーこれだけ?他はあと何人」「ぼく達だけです」「外のは?」「外のは…友達です」
「二人じゃねーじゃねーか」「…」俺に質問しているおっさんは「ちょっと見てきて」とつぶやくと
他の男達は全員階段を降り外へ向かった
おっさんがタバコを出して一服していると、外からの懐中電灯のかすかな光が天井に当たった、俺の渡しておいたやつだろうか
わずかにおっさん達の声と、それに答えるあの子達の声がが聞こえてくる
懐中電灯の光が消えた頃、ほんの少し騒ぎの声が聞こえて、Kのとは違う、別の車のエンジンのかかる音が聞こえた
おっさんの携帯が鳴った「あー、あー分かった」携帯はすぐ切られた
「サイフだせ」俺とKはこうなるだろうなと既に諦めていたのか、
二人とも迷うことなくサイフを取り出しおっさんに渡した

739 本当にあった怖い名無し sage New! 2012/07/08(日) 02:59:02.97 ID:6V6E9Pij0
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おっさんはサイフをじっくり物色し、免許証など「要るもの」だけ取ると、サイフを俺達に返した
「ほんとはお前達も乗せてきたいんだけど、お前らは見逃してやるよ」
俺達はその言葉を聞き、涙が出てきた。こういってはなんだが、純粋に嬉しかったのだ。
「あっありがとうございます!」「ありがとうございます!」「すみませんでした!」「すみませんでした!!」
おっさんは俺達の声には無表情に答え、部屋を後にし、しばらく静寂が部屋を包んだ後、車が砂利道を走る音と共に去っていった。
窓からは、砂利で揺れるワゴンが走り去っていくのが見えた

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