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341 本当にあった怖い名無し 2007/09/14(金) 22:29:12 ID:x5zEFpkCO
そんな俺がいい加減ウザくなったのか、ケイさんは「んー」と唸ると、
「坂上さん。連れてく人が違いますよ」
と、俺の背中の向こう側に声を掛けた。その途端、空気は軽くなり寒気は消え、「ああ、いなくなった」と俺は無意識に思った。そして、ケイさんに死ぬほど感謝した。
でも当のケイさんは「お前、ヤられやすいから気ぃつけろ。つか俺に迷惑かけんなウザイ。死ね。」
と言い残すと、仮眠室に消えていった。しかしそれから数分後、ケイさんは
「エンゼルの用意しとけよ」と仮眠室から顔を出した。エンゼル、ってのはつまり、死後処置だ。「何でデスか」聞き返すと、「坂上のジジィ、死んでからも迷惑掛けやがって。死人はさっさと死んどけよ」と意味不明なことを呟き、また仮眠室に引っ込んだ。
それから数時間後、ケイさんが仮眠を終えた頃。立て続けに患者が2人亡くなった。
俺は嫌な予感を覚えながら、準備していたエンゼルを行った。

仕事が終わり一息つくと、ケイさんがこれ以上ないくらい不機嫌そうな顔で戻ってきた。
「ケイさん、まさか、」
「テメェのせいで散々な夜勤だった。あのまま放っとけばよかったかな」
俺が聞き終える前に、ケイさんが言った。
「じゃあやっぱり」
「逝き遅れた年寄りほど見苦しいモンはないぜ。手当たり次第連れていきやがる。」
やっぱりあのとき、坂上さんは僕を連れていくつもりだったらしい。それをケイさんが助けてくれたんだ。だから坂上さんはかわりに患者さん二人を連れてったんだと思うと多少胸が痛んだが、俺はとにかくあらためてケイさんに感謝した

「ありがとうした、俺、なんて御礼言ったらいいか…」
「あん?当然だろ?」
ケイさんが煙草に火をつけながら言った。

「あんときお前が連れていかれてたら、俺の仮眠時間が無くなってたじゃねぇか。」

このセリフを聞いたときほど、ケイさんを怖いと思ったことはなかった。

今現在、ケイさんはある厄介なことをやらかして休職中だが、
あの人とは他にもいくつかヤバイ体験をしたので、
とりあえずあの人が職場復帰するまでに、いくつか書いていきたいと思う。

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