この怖い話は約 3 分で読めます。
さて、通夜を翌日に控えなんて名前の風習かは忘れましたが、1日蝋燭の火を絶やさず寝ずの番を任された自分と祖父は祖母を真ん中に川の字に布団をひき、休みながら見張る事に。
ここで自分は、昼抱いた疑問を祖父にぶつけてみました。
「朝、すごい剣幕だったけど何か感じたの?」
「朝起きて散歩行こうとして、婆さんがいないのがおかしかった。今考えれば仕事でいないのは当然なんだがなんでだろうな。
いてもたってもいられなかったんだが、病院から電話があった時、自分の中からなにかがすっと抜けた感じがした。その時、もう間に合わない事がわかってしまった」
757 本当にあった怖い名無し 2007/09/02(日) 02:49:26 ID:yE4K5GAjO
話は変わるが、はためから見て祖母と祖父は仲が良いとはとても思えなかった。
父から聞いた話では博打の所為で土地も9割手放したし、伊豆やら仙台に愛人がいて、代々の大工家系で腕はいいが飽き症で。
ことあるごとに愛人のとこに逃げ込んだ祖父を祖母が連れて帰る事が度々あったそうで、祖母は母には今のように離婚してもいい時代が羨ましいと、毎夜愚痴をこぼしてたそうです。
そうはいっても50年連れ添った二人には他人には解らない絆があったんでしょうか。
さて、祖父との話も途切れた頃、
「今日試合だったんだろ?火は俺が見てるから疲れてるだろうからもう寝なさい」
との一言で、自分は疲れていた事を思い出したかのようで間もなく寝てしまいました。
758 本当にあった怖い名無し 2007/09/02(日) 02:50:57 ID:yE4K5GAjO
ごめんなさい。まだ続きます。
寝入ってからどれぐらい経ったか解りませんが、近くからの話声が気になって目が覚めてしまいました。
何やらすぐそこで会話が聞こえるのです。祖母に対して背中を向けていたので体は起こさず、耳だけ傾けましたがどうも様子がおかしんです。
祖父が独り言を言ってるようにも聞こえんですが、相槌も交じっていてるんです。
「あそこまだ行ってなかったなぁ。 んっ?
そうだなぁそんな事あったなぁ そうそう、あの時はすまなかったなぁ」
祖父の声しか聞こえてきませんでしたが、祖母と会話してるんかなぁと思い、なぜかこみあげるものがあり声には出さずただただ涙。
後ろを向けば自分も交えて話せるかなとも思いましたが、あまりに野暮だなと思い振り向けませんでした。やがて15分程経った頃また深い眠りに入っていました。
翌日起きて祖父の顔を見ると目が尋常じゃなくはれてたので、昨日の事を聞いてみると、知らん!の一点張り。意地悪にもなんで目がはれてるのか聞いたら、この上なく怒られました。
周りの評判はとにかく自分はこんな祖父が大好きでした。昔気質で頑固で、自分に正直で。祖父もその3年後亡くなりましたが最期まであの夜の事は教えてくれませんでした。