Categories: 洒落怖

月曜日は必ず休む

この怖い話は約 3 分で読めます。

男の部屋に等身大の人形っていうのも変な話だけど、炬燵の上が更に変なのよ。

クリスマスケーキにフライドチキン、その他料理にワイングラス。まるで恋人がここで
パーティーしてたみたいな感じだったのね。

(こいつ…。変な性癖もってんのか…?)

ココら辺でもう変な汗タラッタラ出てきた。

その時、部屋のドアが開いた。あいつだった。新入社員がそこに立ってた。

「おーい、楓ー。帰ったよー」

これで確信した。こいつやべえと。変な性癖とかそういう次元じゃなくてやべえと。

「…。先輩。何してんすか?」

会社では見たことのないようなすっげー冷めた目で俺を新入社員が俺を見てた。

166 本当にあった怖い名無し New! 2013/01/22(火) 22:01:24.57 ID:0YUqso3f0
会ったらぶん殴ってやるわとか思ってたけどそんな気持ちはすでにぶっ飛んでた。

「い、いやー、お前が会社来ないからさ、心配で…」

「楓が風邪引いちゃったんですよ。これから電話するところでした」

「か、楓…?か、可愛い彼女だね…」

怒らせちゃまずい。話を合わせて乗り越えるしかない。もう背中は冷や汗でびっしょりだった。

「それに人の部屋に勝手に入って非常識なんじゃないですか?あれですか?俺が戻らなかったら
楓に乱暴するつもりだったんじゃないですか?」

「い、いやいや。に…そんなことするわけないでしょ…」

「人形に」って言葉を必死で飲み込んでた。

「嘘だ…。お前も俺から楓を奪おうとすんだろ…」

踵を返して台所に向かう新入社員。あ。やばい。そいつの部屋は2階だったけど関係ない。
俺は窓を開けてベランダから一階に飛び降りた。

「まてやあああああ!殺す!楓を奪う奴はぶっ殺すからなああああああ!」

上から新入社員の今まで聞いたことないような怒号が聞こえてた。

168 本当にあった怖い名無し New! 2013/01/22(火) 22:14:16.87 ID:0YUqso3f0
「待ってろ!殺してやるからなあああああ!」

ドアが開く音が聞こえた。もう脇目もふらず走って逃げた。叫びながら。

「誰かああああ!!助けて下さいいいい!!」

田舎だったのが不幸だった。人影はまったくない。これはマジで死ぬんじゃないかと思いながら
20分くらい走った。性格に何分走ったのかは覚えてない。携帯の着信で我に返ったんだ。

上司からだった。振り向くと誰もいない。俺はホッとして電話に出た。

「新入社員が警察に捕まった。どうなってんだ?」

みたいな内容だった。聞くと包丁持って道を歩いてたところをパトロール中のパトカーに職質されたらしい。
俺の名前出して殺す殺すと言ってたので、これはやばいということで警察が連行したそうだ。

その後、上司に迎えに来てもらい、新入社員の家に靴を取りに戻り、警察に行った。

警察署で今までの経緯を話した後、新入社員は入院することになるって話を聞いた。
そっち系の病気だそうだ。当然、新入社員は解雇になった。

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