Categories: 洒落怖

「とーきのぼー」

この怖い話は約 3 分で読めます。

埼玉県西部にある国道の整備で、道沿いの山の中に管理事務所立てて夜間も作業してた。
夜勤以外の大半の者は家に帰ったり、近くの町のビジホとかに泊まった。
俺は元請の責任者とこの事務所に寝泊りしてた。

夜勤のある平日は夜中も誰かしら事務所にいて何事もなかった。
それでも作業が休みの日もあるわけで、一日中誰もいない。
責任者も帰っちゃって、俺だけが残った。

国道って言っても山の中を通ってるから、交通量は多くない。
夜はたまに走り屋みたいなのとトラックがまばらに走ってるだけ。
ひとり残されるとけっこう怖い。

546 本当にあった怖い名無し sage New! 2013/01/30(水) 00:39:40.88 ID:cY098STr0
昼間、近くのコンビニに行って、食料とか酒とか雑誌なんかを買出しして夜に備える。
管理事務所はよくあるプレハブの二階建て。
一階が休憩所で二階が会議室兼仮眠室になってる。
その日は夕方まで作業場を見回ったり、国道を見張ってる警備員のおっさんとこいって雑談してた。
そん時、休日夜間の警備はつかないって聞いて、完全に俺だけかよってちょっとビビッたw

夕方六時頃、警備のおっさんがハンコもらいにきて、ビビッてた俺はまた雑談しようとしたが、
おっさんは「いや、早く帰りたい」と言ってそそくさと帰っちゃった。
帰りぎわ、「夜は早く寝なさいね」なんてお母さん的なことも言ってたw
でもなんか表情がやけに硬く、いつものやんわりとした空気じゃなかったのでよく覚えてる。

547 本当にあった怖い名無し sage New! 2013/01/30(水) 00:40:22.19 ID:cY098STr0
日も暮れて辺りはすっかり暗くなって、一階の休憩所で買っておいたメシを食う。
それから雑誌をペラペラめくりながら缶ビールを飲む。
半分くらい飲んだとき、外で音がした。
鉄でできた機材の上に小石が降ったような、カンカンカンて音。
それほど大きな音でもないがはっきり聞こえた。
俺はその音を無視した。

しばらくしてまた同じ音がした。
さすがに無視できなくなり、見に行くことにした。
何かあったら俺の責任になる。
ライトを持ち、事務所を出て音のする方に歩いていくと重機と機材が積んである空き地がある。
誰かがいたずらで小石でもばら撒いたのかと思ったが誰もいない。
その辺を一回りしたが変わったところは無かったので戻ろうとした。

548 本当にあった怖い名無し sage New! 2013/01/30(水) 00:40:53.31 ID:cY098STr0
そのときガサガサっ!てヤブを掻き分けるような音がしたんで、びっくりして振り返った。
人がいた。
スーツっていうか背広をきたおっさん。
背が高く、180くらいは余裕でありそう。
顔をチラッとみたが、目が大きいくらいしか特徴の無い普通のおっさん。
こいつの仕業だと思った。

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