Categories: 洒落怖

この怖い話は約 3 分で読めます。

10 名前: 6 2006/08/02(水) 15:46:52 ID:9ulvH9Vv0
コピーをミスし、どこか忘れたところでコピーしたクリップボードを誤って貼り付けたと思い、
再度コピペすることにしました。
同じ作業をして、メモ帳にある新聞記事のような本文を全選択し上書きの『貼り付け(P)』。
メモ帳は一文字も入力のない白い画面になりました。
「はぁ?」1年も使っていないPCなのにもうおかしくなってきたか?と不安になりました。
「それとも何かのウイルス?」それにしてはあまりに地味です。
もう一度コピペしてみると、今度は砂時計のアイコンが出て完全に動かなくなりました。
Ctrl+Alt+Deleteでメモ帳を強制終了します。

11 名前: 6 2006/08/02(水) 15:47:27 ID:9ulvH9Vv0
タスクマネージャの画面に気を取られていると、堆く積もった背後のゴミの山からカサッと音がしました。
一瞬にしてそちらに気が向きます。
「ゴキブリ!?」
今までゴキブリを自分の部屋で見たことはありませんが、多くの人と同じく、僕もゴキブリには恐怖します。
じっと動きを止めてコンビニの袋やパンの空き袋、空き缶などが散らかったゴミの山を凝視します。
耳も済ませます。
フゥゥゥ・・・・ン
という音がして慌てて振り返ると、PCが落ちていました。
なぜかシャットダウン。意味が分かりません。確かタスクマネージャとIEが開かれており、終了系は何も操作していません。

12 名前: 6 2006/08/02(水) 15:48:02 ID:9ulvH9Vv0
ジッ!!!!!
PCに目をやっていると、今度は突然また背後で耳を劈くような大音響の音が響きました。
吸い込んだ息が驚きで吐き出せません。それほどの短い短い大音響。
心臓がドキンドキンと脈打っています。恐怖などではなく、単なる驚きで。
そんな状態で背後を見ていると、万年床の布団の上にポトンと黒い何かが転がっているのが視界に入りました。
「ゴキブリいたっ!」
と思いましたが、どうやらソレはひっくり返って死んでいるようです。
恐る恐る近づいてよく見ると、それはゴキブリではなく、蝉の死骸でした。
あぁ、さっきの音は蝉の鳴き声だったのか…とほっとしたものの、
僕の部屋には蝉が入ってくる隙間などありません。
一つしかない扉は廊下へとつながっていますし、窓は錠をかけたまま数ヶ月開けた記憶がありません。

13 名前: 6 2006/08/02(水) 15:49:18 ID:9ulvH9Vv0
多少小首をかしげながらも、ティッシュで死骸をつまみ、コンビニの袋に入れて持ち手を堅く結び処理します。
理解の範疇だった出来事に胸を撫で下ろすと、意識はPCに戻りました。
「なんか調子おかしかったから確認しないと」
そう思って再度起動します。
不安をよそに、PCは何の問題もなく立ち上がり、IEも開くことができました。
『お気に入り』から先ほどのまとめサイトを開いてみることにします。
やたら時間がかかって右下の緑のバーが少しずつ進みます。
やっと開いたと思うと、突然ディスプレイが真っ暗に。またシャットダウンしたのです。
「おいおい…」
声になるかならないかのような独り言で愚痴を言うと、次の瞬間凍りつきました。

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bronco

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