Categories: 洒落怖

駄菓子屋抗争

この怖い話は約 3 分で読めます。

今から20年ほど前。まだ俺が小学生の頃の話。
俺の通ってた小学校の近くには駄菓子屋が五つもあった。
当時は駄菓子屋激戦区になっていて、小学生の間では駄菓子屋ごとに派閥みたいなのがあった。
そのうちの「みーちゃんち」と「ボンバーんち」って呼ばれてる駄菓子屋が隣同士になっていて、
お店の売りが「おでん」ってとこも、店の古さや雰囲気もカブリまくってた。
(特定されるため本当のお店の名前とは少し変えてあります。)
なもんで、激戦区の中でも似た二つの店は火花散る抗争があったんだ。

俺は断然みーちゃんち派だったんだが、外でおでん食ってるとボンバーんち派の奴らからヤジ飛ばされたりするw
「こっちのほうがうめぇ~ぞ~!」
「こっちのおでんデカイぞ~!」とかw
そこでおでん論争になり、本気で喧嘩になったりする。

俺は、みーちゃんちの優しい婆ちゃん(通称みーちゃん)と、店の中でいつも寝てる猫と、
汁がしみまくって完全に真っ黒くなったおでんが大好きだったんだ。 543 本当にあった怖い名無し 2013/08/29(木) 12:06:00.08 ID:scS6iZQCI
ある日、いつも通りにみーちゃんちにおでん買いに行ったら、猫がいない。
「きょうは猫いないの?」って聞いたら、突然みーちゃんが泣き出した。
俺がどうしようと思ってオロオロしてたら、みーちゃんが泣きながら話はじめた。
猫が子供達にちょっかい出された時に、ガリッと引っ掻いてしまったらしい。
普段から駄菓子の上で猫が寝たりしてたのもあって、苦情がきて、猫を他所に引き取って貰わなきゃいけなくなった。
でも、もう老猫なもので誰にも引き取ってもらえなかった。

猫にはかわいそうだが、商売やってくには処分しなきゃいけなくなってしまって、今は檻の中にいれてるんだと…。
それから少しションボリしたあと、みーちゃんは「ごめんね。こんな話しちゃって。おでん、持ってくるね」といって、おでんサービスしてくれた。
しばらくして猫いなくなった後のみーちゃんは元気がなくなった。
店の外のガチャガチャがカラのまま放置されたり、くじ引きの商品もなくなってるのに放置。
おでんの味も何だかおいしくなくなって、毎日違う味になってさ、苦かったりしょっぱかったり。
おでんの具も、変なすっぱい肉とか、ホルモンみたいなのが混じるようになって子供らから気持ち悪いと不評になっていった。
みんなみーちゃんどうしたんだろうと心配してたけど、理由知ってるのは俺だけだったみたいだから黙っていた。

544 本当にあった怖い名無し 2013/08/29(木) 12:07:40.93 ID:scS6iZQCI
その頃、ボンバーんちの店が建て替えて新装開店した事から、みーちゃんち派からボンバーんち派に流れる者もぞくぞくと出始め、みーちゃんち派=ダサイみたいな風習になっても、俺は通い続けた。
その頃から、朝の登校班の時間に、みーちゃんち側にある歩道橋に、あきらかに人糞と思われる立派なブツが仕掛けられるようになった。

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