Categories: 洒落怖

拒否

この怖い話は約 3 分で読めます。

その女の子は俺の目の前までやってきた。
(顔がよく思い出せない。なんでかわかんないんだけど、女の子の輪郭がぼやけてピントが合わないんだよ。
でも何故かその時は違和感を感じなかった。)
「ねーお話してー」と言って、手に持ってた絵本を俺に見せる。
絵本をみると、俺が小学生低学年のころ持っててよく読んでた絵本だ。
(なぜか絵本については細部までがはっきりと見えた。)
「絵本・・・?へぇー、俺もこれ、よく読んでた」と思って渡された絵本を見てみたら、
どう考えても、汚れ具合とか擦り切れ具合があの当時のままだ。裏面を見てみたら、なんと子供時代に俺の書いた名前が入ってる。

789 本当にあった怖い名無し sage New! 2013/09/08(日) 19:19:44.53 ID:0qtsdPEg0
なんで!?もうとっくに捨てたはずだろ、と思ったから、「えっ!、これ・・・」って女の子の顔見たの。
そしたら女の子は俺の腰辺りの服をガッって掴んで、俺を見上げてんだ。
その顔には目も口もなくて、ただぽっかり大きな黒い穴が開いてた。
そんで、たぶん俺の目を見ながら「ねぇ。」って甘えるみたいな声出した。

俺は素で「ヴぉお”お”っ!」って声出してのけぞったよ。絵本も、買ったばかりのカメラも落としちゃったんだけど、そんなこと気にしてる場合じゃない。
速攻でさっき来た道を走って、とにかく早く駅まで逃げようと必死だった。
(なんであの時、カメラをおいて逃げたのか悔やまれる。でも当時は本当に怖い、逃げなきゃ、としか考えられなかった)

駅に着いたらちょうどペンション方面行きの電車が出発待ちしてるんで、切符かって乗り込んだ。
今考えると、空いてるのに席にも座らずにバーにつかまってガタガタ震えてる奴なんて、気味悪かったろうね。
でも俺はその時変なもんが見えてて、パニックになってた。
電車の窓からホームを歩いている人が見えるんだが、そのうちの何人かの顔の輪郭がぐにゃぐにゃに曲がって、いろんな顔になる。
そいつらがこっちを見る。で、顔の向きを戻して去っていく。
(ほんとに、目を合わせない分にはぼーっと見入ってしまう。見事なんだ。でも、目が合った瞬間、恐怖でうわぁっ!となってしまう。
あれにつかまったら死ぬ、死ぬ、と感じてた。しかも全員、灰色っぽい色してる)

790 本当にあった怖い名無し sage New! 2013/09/08(日) 19:21:36.34 ID:0qtsdPEg0
服装も着物みたいで、ぐにゃぐにゃの中には、洋服なんか着てる奴は一人もいない。俺はもう目をぐっとつぶって、一刻も早くペンションに着いてくれと念じながら耐えてた。
これでもかってくらい脂汗は出るし、インフルの時みたいに常に悪寒が走るし、本当に辛かった。
(あの女の子に会ってから、ほとんど熱にうかされたときみたいに記憶が断片的。)

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