Categories: 洒落怖

写ると

この怖い話は約 3 分で読めます。

73 本当にあった怖い名無し sage New! 2014/02/28(金) 01:42:44.23 ID:TxWDnHuK0
ビビリな私はなんで写真を撮るのかと聞くと怖い話をされそうで嫌だったのでおとなしく受け取った。
どこを撮ればいいんですか、と聞くとフィーリングだよと返された。
Nにもカメラを渡し、ふたりばらばらに歩き始めた。
私はまず玄関にある大きな鏡、足音の彼女と会った一直線の廊下、自分のクラスの教室、図書室、そして最後に中庭で待つ福耳の先生を写した。
まだ何枚が残っていたが、怖すぎて先生の元にも走って帰った。
Nは使い捨てカメラを使い切って帰ってきた。
福耳の先生はお疲れ、と私たちのカメラを回収し、じゃあ帰るか、と言った。
Nはもう帰るの、結局何もしてないじゃんと不満げだったが渋々と先生の後をついて行った。

74 本当にあった怖い名無し sage New! 2014/02/28(金) 01:45:37.54 ID:TxWDnHuK0
次の日の練習は散々だった。
私は足を払われた時にバランスを崩して膝の皿を脱臼してしまい病院に運び込まれてしまった。
そこからトントン拍子に手術が決まり結局夏休みが終わっても一ヶ月くらい学校に行けなかった。

久しぶりに学校に行くともう衣替えの季節であった。
まだ松葉杖で歩いていた私をNは遠巻きに見ていた。
話しかけてもよそよそしかったので、彼との友情も二ヶ月ちょっと会わなければ薄れるようなものだったんだと悲しくなった。
そんな私を福耳の先生は呼びたして夏の思い出、と言ってあの日撮った写真をくれた。
見てごらんと言われるがまま見たが薄暗い気味の悪い学校と言った感じで対して何もなかった。

75 本当にあった怖い名無し sage New! 2014/02/28(金) 01:48:09.00 ID:TxWDnHuK0
私はなにもないですね。と先生に言った。
先生は嬉しそうにそれはNが撮ったやつだよ。君のはこれ、と別の写真を持ってきた。
まず玄関の鏡、鏡ごしの後ろの方に人のようなものが写っていた。たぶんNだ。
一直線の廊下、オーブが所狭しと写っていた。
自分の教室、図書館、中庭で待つ福耳の先生、これらの写真には共通のものが写っていた。
左腕のない軍服の青年だ。
顔は帽子でよく見えないが、まだ大人じゃない少年から青年に変わる途中の様だ。

福耳の先生は私に言う。
「怪我した君の足はどっち」
右足です。と私は答えた。
「この写真と関係あると思うか」
ないと思います。

76 本当にあった怖い名無し sage New! 2014/02/28(金) 01:50:24.31 ID:TxWDnHuK0
福耳の先生が満足げに言った。
「はじめNと見たときはこの写真、右足も無かったんだ」

黙った私をみて続けた。
「写ると取られるよ」

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