Categories: 洒落怖

ドアを叩くモノ

この怖い話は約 3 分で読めます。

199 本当にあった怖い名無し New! 2014/03/05(水) 22:06:55.18 ID:PZeaZkp10
次の日、友人にもう一度部屋について聞いてみました。
ですが、この前と変わりありません。
僕はモヤモヤとしながら部屋に戻ると、管理人さんが僕の部屋の前にジッと立って扉を見つめていました。
思わずたじろぐと、こちらに気づいた管理人さんは、ペコリと会釈をして、立ち去ってゆきました。
不安は大きくなるばかりでした。
その場で立ちすくんで、もしや一連のことは全て管理人さんの仕業かもしれないと思いました。
ですが、そう考えると少し救われたような気が
しました。

201 本当にあった怖い名無し New! 2014/03/05(水) 22:11:00.55 ID:PZeaZkp10
その日の夜。
3時にいつものように、ドアの音で起きました。
ですがこの日はドアを開けに行きませんでした。
もし扉の向こうのモノに会ってしまったら………と考えると体が強張りました。
ですから布団をより一層強く掴んで、包まって、丸まって、音が止むのを待ちました。
音は弱くなるばかりか、強くなって、更に間隔がドンドンと狭まってゆきました。
最終的には部屋の隅から隅まで聞こえる位の、
大音量が連続で響き、僕の耳を蹂躙しました。
最後に、ドン………!!と、とびきり大きい音が聴こえて、静かになりました。
僕は安堵から、体がふやけるのを感じました。
緊張からカラカラになった喉を癒すために、水を飲もうと、立ち上がる寸で、ドンドンドンとまた叩く音が聞こえました。
しかし、それはドアからではありませんでした。
窓からです。
僕は窓を見ず、固まる体にムチをうって、鍵も
かけずに家を飛び出しました。
朝。
僕はマンションの下まで戻ってきました。
昨日はあれからネットカフェで夜を凌ぎました。
そして、しばらく眺めていました。
五階にある僕の部屋を。

202 本当にあった怖い名無し New! 2014/03/05(水) 22:15:32.83 ID:PZeaZkp10
帰ってきたその日。
僕はあえて自分の部屋に一日中いました。
ソロソロ、白黒をつけたかったのです。
3時の客人がなんであるのか、確かめる必要がありました。
それほど僕の心は磨り減っていました。
そしてもう擦り切れる寸前だということもわかっていました。
ですから部屋でジッと待っていました。
時間は体感より、ずっと早く流れました。
夜になりました。
3時です。
いつもの時間です。
そしていつもの音が響きます。
ドンドンドン!!!!
ドンドンドン!!!!!
ドンドンドン!!!!!!
今までの教訓でこれを無視します。ここで見に行っても、恐らく影すら掴めないでしょう。
音が激しくなり、調子が勢い良くなりだします。
それに合わせて鼓動もまた、早くなりました。
そして音は一旦止み、とびきりが出た後、再び止みました。
そして。
背後の窓を叩く音が聴こえます。
ドンドンドンドンドン!!!
ドンドンドンドンドンドンドンドンドン!!!!
僕は。
振り返りました。

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