Categories: 一人暮らし

クローゼット

この怖い話は約 3 分で読めます。

823 本当にあった怖い名無し sage 2013/12/01(日) 00:38:14.05 ID:Btpm3SeY0
クローゼット(1/3)

私が大学3年になり、一人暮らしを始めてからしばらく経った時のこと。
独立してから半年も経つと、生活に慣れてきてしまい、悪い面を言うと私は無用心になった。
というのも、出かけるときは鍵をかけないで外出してしまうのだ。
部屋には盗られるものもなく、貴重品も金品も置いてない。さらにいくと、鍵を部屋に置いたまま外出することが
日常になってしまった。
 しかし、ある日のこと。外出から帰ってくると部屋に鍵がかかっていた。かなり焦ったが
とりあえず隣に一軒家を構える大家さんのところへ行った。この大家さん、年齢がかなり行っていて
良い人なのだが頼りない。鍵がかかっていることを伝えてマスターキーを出してと頼んだところ
どうやら無くしてしまったらしい。
 私の部屋を開けられる鍵は全部で3つ。私が持っている鍵と、大家さんのマスターキー、そして
私の実家で預かっている鍵。しかたがないので1時間かけて実家に帰り、鍵を借りて、ようやく帰宅することができた。  ここで謎が残るのだが、誰が鍵を閉めたのか、という点。可能性として一番高いのは、私なのだが、
帰宅すると部屋に鍵は落ちていた。つまり、鍵がかかっている間、ずっと私の鍵は部屋の中にあったのだ。
大家さんに問いただすと、誓って鍵をかけてないと言う。
 そうなると、ある可能性が浮上してくる。考えたくもない恐ろしいこと。部屋の中に私以外の誰かがいる。
私の部屋はとても狭く、人が隠れる場所は風呂場とクローゼットぐらい。
不気味な気配を発するクローゼットを恐る恐る開けてみた。

824 本当にあった怖い名無し sage 2013/12/01(日) 00:40:09.45 ID:Btpm3SeY0
(2/3)

・・・・いた。まさかいるとは思わなかったが本当にいた。「ああああっ」と声を上げ、情けないぐらい驚いた。
同い年ぐらいの女だった。しばらくお互い沈黙を続け、私はだんだん冷静になり、距離をおきながら状況を把握した。
この女、知っている。半年前に告白をしてきた女だ。顔も名前も知らない女だったので、不気味に思い丁重に断ったのだが、
それでも女が何度も告白してきたのを覚えている。とにかく顔が嫌いだったので次第に無視するようになったが、それ以来会うこともなく
諦めたのだと思っていた。

女はずっと黙って、笑いもせずうつむいていたので、かわいそうとは思ったが、事が事なので、私は警察を呼んだ。
女は私を見ることもなく警察に連れて行かれた。深夜だったので今日のところは休んでくださいと警察言われ
私はようやく部屋の中で一人になれた。眠れない夜であった。

翌日から、私は必ず鍵をかけて外出するようにし、この事件には関わりたくないので、警察に任せることにした。
その女が2度と会いにこないことを条件にして。

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