Categories: 洒落怖

ざわつき声

この怖い話は約 3 分で読めます。

当日、結構早い時間にサトウさんが俺の部屋にやってきた、不動産屋と約束した時間にはまだかなり
余裕がある。
彼が言うには、どうも急な用事が入ってしまって今日は立ち会えないとの事で、不動産屋が来たら問題ない
から合鍵で勝手に部屋に入ってしまってかまわないと伝えてほしいとの事だった。
「そんな事自分で電話しろよ…」俺はそう思ったが、まあ仕方が無いので了解し、不動産屋との待ち合わせ
の時間まで待機する事にした。

昼少し前くらいに不動産屋が駆除業者と一緒にやってきた。
不動産屋がサトウさんと連絡が取れないが何か聞いていないかと言うので、今日の早朝にあったことを話すと、
少し困った顔をしたが一応サトウさんの部屋へ行く事にした。
話を聞くと、1階と2階の間を調べるにはサトウさんの部屋のバスルームの天井から入るしか無いらしい。
サトウさんの部屋に行くと、合鍵で開けてほしいとの事だったが、なぜか部屋のカギは開いていた。
流石に俺が入るのは問題があると思うので、業者と不動産屋に任せて外で待っていると、突然中から
「うわ!大丈夫ですか!?」という声が聞こえてきた、何事かと玄関のドアを開けてみると、不動産屋と業者が
真っ青な顔をして出てきて「警察に電話を…」と言ってきた。

12 3/5 sage New! 2013/11/02(土) 20:52:37.30 ID:W3ujJ8R60
>>11の続き

その間色々あったのだが長くなるので結論から書くと、サトウさんがバスルームで死んでいたらしい。
それから色々大変だった。
パトカーや救急車がやってきて大騒ぎになり、俺も警察から色々と事情を聞かれた。
朝にサトウさんと話したときは、不信な様子は少なくとも俺の見た感じでは一切なかった事をはなし、一応
天井裏の事を警察に話すとそれも含めて調べていたようだが、何か見付かったのかとかそういう事はなにも
教えてもらえなかった、結局俺としては天井裏の「ざわめき声」も含め、サトウさんの死因も何もかもあやふや
なままになってしまった。

その日の夜。
色々ありすぎたので疲れてしまい、さっさと寝てしまおうと早めに布団に入ると、「例のざわめき声」がいきなり
聞こえてきた。
が、何かがいつもと様子が違う、良く解らないが違和感を感じる…
暫らくして違和感が何なのかに気がついた、今までは下から聞こえてきていた声が、明らかに横から聞こえる。
しかも今までは床越しに聞いていたので多少くぐもって聞こえていたのだが、今回はまるで「同じ部屋の中」から
聞こえてくるように鮮明だ、そう考えたとたんに急に背筋が寒くなってきた。
目を開けて声のほうを見てみたい気持ちもあるがぶっちゃけ怖い。
そうは言ってもやはり声の正体は気になる、俺は意を決してベッドから起き上がり、声のする方向を見た。
そしてとんでもないものをみた。

Page: 1 2 3 4

bronco

View Comments

  • ゆっくり怪異譚シリーズで木村(元の話のサトウさん)は一命をとりとめ
    主人公に相当する早苗も助かりますが
    この怪異は悪意で襲っているようではありますが
    いったい何がしたかったのでしょう?

Share
Published by
bronco

Recent Posts

迷い

霊とかとは全然関係ない話なんだ…

4年 ago

血雪

全国的にずいぶん雪がふったね。…

4年 ago

母親の影

私が小6の時の夏休み、薄暗い明…

4年 ago

閉じ込められる

彼はエレベーターの管理、修理を…

4年 ago

彼女からの電話

もう4年くらい経つのかな・・・…

4年 ago

テープレコーダー

ある男が一人で登山に出かけたま…

4年 ago