この怖い話は約 3 分で読めます。

それで先生が進学祝いにくれた木箱には、降頭の兵隊が控えている、と
遠方に行く俺を、その子が必ず守ってくれると先生は言った
その子は金銭で売り渡しするのでなく、相手の人間性を見て判断する
知り合って長くなるし、この男なら大丈夫だろう、と
先生は、この俺に降頭の兵隊を授けてくれた
( その木箱の中が何かは言えない
  勿体ぶるわけじゃなく、本当に言えないから勘弁して欲しい )

そして、その子はとても強いんだよと、先生は説明を始めた
仮に悪い霊がいたとしても、その子がいれば安心だ
その辺の霊が2,3人束になっても敵う相手じゃない
滅多に無いと思うけど、今の日本にも式神を使役する人は実在する
そんな日本の式神と戦っても決して負ける事は無い
言うなれば、日本の繁華街を彷徨いているチンピラと
正規の訓練を受けた特殊部隊の精兵くらいの差がある、と
だから逆に、この子を連れて心霊スポットに行くのはダメなんだ
かなり強いから、回りに対する挑発行為にもなるからね

他にも先生は幾つかの注意点を付け加えた

1.自宅に迎える前に、家の神様に挨拶をすること
 家には必ず家の神様が祀ってあるはずだからね
 その家の神様から、その子が家を出入りする許可を頂くこと
2.毎日最低一回呪文を唱えること
 先生は別紙に呪文を書いておいてくれた
 夜、寝る前などに、その子に向かって詠唱すること
3.毎日お供えをすること
 線香とお菓子、ジュースを少量で良いから毎日お供え
 ジュースはファンタグレープが一番良い
4.決して粗末に扱わないこと
 もし、その木箱を捨てたりしたら大変な事になる
 これは脅しでは無く、生命をも落としかねない
5.胸から上に着けてはいけない
 ウエストポーチもしくはカバンの中等に入れて連れ歩くこと

今は、その子の声が聞こえないかもしれない
だから先生は、俺にポエもくれた
そのポエを使って、その子の意志を確かめると良い、と
ポエも台湾の人なら誰でも知ってるかもしれない
自分のは赤く塗られた木の破片で、
それを使って神様の意志を確認するのに使うんだね
確か、ポエについては以前も書き込んだ気がするね

少なくともその子がいれば、悪い霊は近寄れないはずだ、と
そして最後に先生は、その子を可愛がって欲しいとお願いしてきた
愛情を注いでくれれば、その兵隊は君のために力を惜しまないだろう、と
俺は可愛がり方なんて分からないと訴えた
すると先生は、たまに玩具も供えてあげれば喜んでくれる、と言った
なぜなら、その兵隊は子供なんだから
子供が好きそうな玩具なら、必ず喜んでくれるってね
何かお祝いごとが有った時や節目に玩具を供えてあげれば良い、と
そうすれば、その子は単なる主人としてでは無く、
俺にとっては家族として傍にいてくれるはずだ、と

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bronco

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  • 日本の稲荷信仰も同じような感じだね
    稲荷信仰を始めたら家は繁栄するが一度始めたらやめた途端に家は没落するという話
    ハイリスクにはハイリターンが基本

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