この怖い話は約 2 分で読めます。

ついに生首は神社まできた。そして鳥居とほぼ同じ高さまで飛び上がった。
その時、鳥居から例のもやもやがぶわっと押し出されるように大量に溢れ出てきた。そして生首は飛び上がったままもやもやに包まれ空中で止まった。

歪んだ幕を通して女の顔が引きつったかと思うと物凄い表情でこっちを凝視しており、口がぱくぱくと開閉していた。
そのまま長い時間が過ぎたように感じた。実際は一瞬だったのかも知れない。次に覚えているのは家の布団の中。心配して迎えにきた祖父におぶわれて帰宅したらしかった。

二人から根掘り葉掘り聞かれて全て話したが夢でもみたのだと信じてもらえなかった。
あの神社は戦後に出来た比較的新しいもので特に曰わくがあるわけでもないということだった。
俺自身あんな目に遭った割には不思議とトラウマなどになることもなく、残りの期間も普通に塾に通った。前ほどではなくとも神社にも時々寄った。

今では何となく見当がついたけど、生首の顔を思い出すとやはり怖くなる。

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