Categories: 洒落怖

おじいちゃんの赤耳

この怖い話は約 2 分で読めます。

おじいちゃんの赤耳

当時私は4歳だった。
その日私は幼稚園の運動会から帰った後で、お風呂上がりに家の居間でゲームボーイをしながらぐーすか寝
息をたてていた。
ふと、目が覚めると居間におじいちゃんが入ってきてて隣に座っていた。
するとおじいちゃんは「耳食べるかい?」と言った。
「耳って?パンの耳?」と私が聞くと、おいしいから食べなよと言っておじいちゃんは横に置いてあった箱
に手をやると蓋を開けて中を見せてくれた。
真っ赤な色をした耳がいっぱい入っていた。

耳を食べるの?とおじいちゃんに聞いたが「おいしいから食べなよ」としか言わない。
問答してる内に、食べなくてはならないなと思った私は思い切って食べてみた。
味はしなかった。
2、3個の耳を食べた後にまた眠くなってそのまま寝てしまった。
そして、目が覚めるとおじいちゃんに何でさっき耳なんか食べさせたのかと聞いた。
すると「ん?おら今日はパンの耳なんぞ食ってねえぞ?妙な事いうね」と言われた。
当時の私は「ははあ・・・あれは全部夢だったんだね」と思う事にした。
それが50年前の出来事だ。
思えば私の娘は子供の頃によくゲームボーイで遊んでいた、私が夢の中で遊んでたの
と同じタイトル。
霊とか詳しい事はよくわからないけれどあれは一体なんだったんだろうか?父に
は結局一度も赤耳の事は聞かずじまいだったから私には何もわからない。
だって祖父も父も娘が産まれる前に亡くなっているのだから。
娘は幼い時は時々虚空に向かって話しかけている事も多かった様な気がします。

bronco

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bronco
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