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518 1/5 sage 2008/08/31(日) 15:37:20 ID:Byw8M9Hs0
俺が小学生の頃の話。
5年生だったから、もう想像と現実の区別はできているのに、
絶対に現実とは思えないのに、
どうにも頭から離れないある映像が気がかりでならなかった。

どうも、自分は小さい頃に人を殺したことがあるらしい。
幼稚園にも入る前で、相手は同じ年頃の小さな女の子であるらしい。
近所にそんな小さなうちに死んだ子はいないのだが、
なぜかそんな気がしていた。
その子の骨が埋まっている場所の映像の記憶。
それが頭から離れない。

田舎なもんで、林を切り開いて建てられた俺の家は庭が結構広かった。
当時は回りの家もみなそうで、林と畑の間にぽつぽつと家が点在している集落。
所々に点在する古井戸や廃屋などが、
子供たちの格好の肝試しスポットになっていた。
そんな土地だ。

519 本当にあった怖い名無し sage 2008/08/31(日) 15:40:39 ID:Byw8M9Hs0
俺の家の庭の隅の方にある、
使っていない古い物置小屋の裏側の陽が当たらない場所、
その向こうは深い森になっている、じめじめとした薄暗い狭い空地。
そこの落ち葉に覆われた柔らかい土の下に、
その女の子の骨が埋まっている。
その場所が恐ろしい。
...そういう夢を何度も何度も見た。
それが、小学5年生だった俺の頭に刷り込まれていた映像だ。
その狭い空地は子供には薄気味悪い場所なので、
そんなところで遊んだことなどほとんどなかったのだが。

想像と現実の境目ははっきりしているから、
俺はその映像がただの夢であることを確かめようと思った。
そして俺はひとりで、その薄暗い狭い空き地に立った。
誰もおらず、昼間ながら周囲はしんと静まりかえっている。

520 3/5 sage 2008/08/31(日) 15:43:17 ID:Byw8M9Hs0

樹木の並び方、しょぼしょぼと力無く生えている日陰の雑草、
俺の記憶と違いはない。秋でまだ寒くはなかったが、俺は鳥肌が立った。
記憶の目印である小さな常緑樹(榊の木だった)はすぐに見つかった。
夢の記憶の通りに、そこにはかすかに陽が当たり、
湿った枯れ葉が積もっていて、踏んだら柔らかくて足が沈み込んで、
ぎくりとした。
もともとくぼんでいたところに、落ち葉や枯れ草が積もったらしい。
そこにはほとんど草も生えていなかった。
俺は、用意していたスコップでそこを慎重に掘り始めた。

するとまもなく、スコップはかちりと何か硬いものに当たった。
枯れ葉と湿った土の隙間から、白いものと布と、
髪の毛の束ようなものが覗いていた。
俺は全身から血の気が引き、気が遠くなるのを感じたが、、
やはり、という妙に透き通った夢の中のような感覚も同時にあった。
恐怖が麻痺したような夢見心地の中で、俺は淡々と土や枯れ葉を除け、
そのものを掘り出した。
半ば腐り崩れかかった着物を着た、市松人形だった。

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