この怖い話は約 3 分で読めます。

130 本当にあった怖い名無し 2008/06/27(金) 21:49:26 ID:NkrBeb170
んで夏休み明け、俺達は教室で合流し、俺が現像してきた写真を見せていた。
しかし池をバックにした写真。
左から順にL・N・俺・Kという並び方だったんだが、
池のこっち岸に近いとこで、何か顔のようなものが水面に浮かんでたんだ。
それは水面の波でなんとなく人の顔、というものではなく、
まるで仮面が水面に浮かんでいるように鮮明に浮かび上がっていた。

多分、想像で言おうとしていることは分かってくれるはず。

その顔は、今でも覚えている。
肌?は緑がかった茶色だった。髪は水面に浮かんでて、長かった。
心霊写真ということで、クラス中で回し見され、話のネタにされたが、
正直ソレと映っている俺達は気分が良いものじゃなかった。

普通なら、これで終わるだろう。

132 本当にあった怖い名無し 2008/06/27(金) 22:02:32 ID:NkrBeb170

その山で撮った写真は、全部Nに預かってもらった。
その後の生活はテストやら部活やらで忙しかった。
んで、心霊写真の事を既に皆が忘れ去りそうになった時だった。
Nが、昼休みにいつもの俺達のメンバーを呼び、
「ヤバいから他の奴に聞かれたくない」
と言って校庭に出た。
校庭でも人の少ない体育館の裏に行き、
「何だよ?」とかNに言ってたら、
Nはブレザーの内ポケットから一枚の紙を取り出し、俺達に渡した。
それは例の写真だった。
「今更何を?」と思ったが、よく見てみると、
やばかった。
前、完全に横になってた顔が、少し立っているではないか。
空の眼窩からは藻が水面へと垂れ下がり、
あろうことか、顔の浮かんでいる水面の横からは手が出てきていた。
小枝のように細い指。
水で腐敗され、ぬめっている。

そしてそれは、Nに向かって伸びていた。

133 本当にあった怖い名無し 2008/06/27(金) 22:20:00 ID:NkrBeb170

俺は漠然と、写真の中の物は動かない、と決め付けていたので簡単には受け入れられなかった。
他の奴らも一緒で、「合成か?」とかふざけてひきつった笑いを作っていた。
だがNは、笑いの欠片も見せない。
第一、Nが下手な冗談を言うやつではないと分かっていたのは、
他でもない、俺達だった。
その写真は俺達だけの秘密となった。
そして迎えた春休み。
事態はますます悪化した。
前、指先しか見えていなかった手は手首まで見えるようになり、
顔は完全にこっちを向いていた。
Nはもう真っ青になり、ヒステリックを起こしかけていた。
その霊は、明らかにNに手を伸ばしていた。
何故Nが狙われるのか?
俺達はさっぱり分からなかった。
そして俺は提案した。

135 本当にあった怖い名無し 2008/06/27(金) 22:22:16 ID:NkrBeb170

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