この怖い話は約 3 分で読めます。

本当にチラ裏の話なのですが、昨日夢に出てきたので書こうと思う。

当時の俺は例えば離れている蝋燭に意識を集中し続けて炎を大きくしたり小さくしたりなんてのはごく当たり前のことで誰でもできることだと思っていた。
そんな日常の中で友達の発表会で一発芸も何も出来ない俺がその技を恥ずかしかったが披露したんだ。
驚くことにみんな歓声を上げた。(今では驚くのが普通だと思っているが)
そんなことが子供心に嬉しくて蝋燭以外にもなにか動かせるものはないかと
必死に家中のあらゆる「物」に意識を集中しつづけていた。
だが意識を集中させることは大変神経のいることで、まるで目と目の間に鉛筆でもぶっさしたんじゃないかと思うほど激しい痛みが走るときもあった。
以前はそんなに強い霊感は無かった。幽霊と思える影がちらりと目の端に映る程度。
上記のような日常を繰り返しているうちに段々と「霊」に対する…というか
説明しづらいのだが霊感とか持っている人の特殊な能力が自分にも備わっている
ことに気が付き始める。
その頃だ、俺がO君と出合ったのは。
393 2/10 sage 2011/04/07(木) 14:04:27.44 ID:jxhdHeDl0
O君は自分で「霊感がある」と言っていた。クラスの皆は信じていたが
霊感を持っている、という主張だけでクラスの人気者になっているO君を
俺はそんなに好きではなかった。
ある日O君の家に遊びに行った。家族と挨拶したときにふと頭に「本当だったんだ」
という言葉が浮かび上がった。結論から言うとそのO家では遺伝子的に霊感を
持つ家族でお母さんと二人の姉、そしてO君は本当に霊感を持っていたのだ。
なにか魅かれるものを感じ、俺とO君は(家族とも)すぐに打ち解けた。
俺たちは学校が終わると毎日のように遊んだ。
2学期も、3学期も。

394 本当にあった怖い名無し 2011/04/07(木) 14:06:06.34 ID:jxhdHeDl0
そのころには自覚は無かったが俺の霊感は日に日に増して行き、
本能的に軽い浮幽霊なら浄化させて上げられるほどにはなっていた。
O家も俺に霊感(というよりは特殊な何か)が備わっていることは
知っていたし、俺からもそっち系の話題は話していた。
O母が言うには「霊感は共鳴し合い、互いを成長させていく」らしい。
そんあことを幼心にとても感心しつつ聞いていた。

395 4/10 sage 2011/04/07(木) 14:06:48.88 ID:jxhdHeDl0
ある日O君が俺を婆ちゃんちに連れてってくれることになり、俺は興奮したのを覚えている。
車に揺られること数時間、子供だった俺たちは友達と遠出というだけで時間を忘れてしまっていた。
婆ちゃんの家はO姉曰く「すごいところ」らしい。なんでもO家の霊感を持ている人は
婆ちゃんの家に行ったから霊感が宿ったそうだ。「あの頃からね…」とO姉は話をしていた。
当然そんな話を聞くとまだ子供の俺は興奮するわけで…
O婆の家が普通の民家だったときの落胆は半端じゃなかった。
大げさだがそこまで期待していたのだろう。

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