この怖い話は約 3 分で読めます。
Hが両手で全身の力を入れて石で錠前を5回くらい叩くと、ヒビがいって割れ落ちた。
それを見たHは石を置き、一置き深呼吸を入れると「じゃ、開けてみるで」と言って、ゆっくり両手で門を開いていった。
中の風景にHと俺は、体と目が止まった。
それは一面、平面に白い砂利に覆われていて真ん中にポツンととても古いお社が建っていただけだった。
俺はとてつもなくいやな感じがして、背筋がぞくぞくしてたまらくなった。
「おいおい、これはあかんって、もう行こう!」と言った。
Hの弟は泣き始めた。
Hは振るいながらも白い砂利に足を入れた瞬間、空気が変わった。
空気が変わったというか、空気全体に体を押されてその場から動けないといった感じだろうか。
時が止まったような感じがして、俺の心は一瞬からっぽになった。
次の瞬間
「うふふ・・ふ・・ふ」
と子供か大人か、はたまた男女か分からない声が聞こえたような気がしたとき
俺の体が危険を感じたというか気が狂うほどの恐怖が体の隅々までかけまわった。
・・・・そして次の瞬間気づいたときは、泣きじゃくるHの弟の腕を握りつかんで必死に走って逃げる俺がいた。
191 手毬4 2008/08/12(火) 22:27:02 ID:jgGw0m3c0
もう、一目散で家に帰った。
そのときちょうど、自分の両親と、ばあちゃん、じいちゃんが団欒しているときだった。
俺が泣きじゃくるHの弟の腕を握り締めて、鬼の形相で汗弱になってそこに飛び込んできたのだ。
一瞬、場が凍りついたが、ハァハァ息を切らしている俺を見ていきなり温和なじいちゃんが
「おい○○、おまえあの中に入ったんか!!ばかもんが、あほ!!」とすごい剣幕でまくし立て殴ろうとした。
これまで俺に怒ったことのないじいちゃんを見て開いた口が塞がらなかった。
家族総出でじいちゃんを抑えて、一旦落ち着いた後、いままで起きた事をすべて話した。
その後が奇妙だった。
村の人も地元の警察も無表情で悲しげな顔で、形だけ?のHの捜索をして終わり
俺と両親はすぐに出て行くように言われ、その日に帰った。
帰るときに、Hのおばあちゃんが
「Hちゃんが、Hちゃんが、手毬にされてしもうた」と泣き崩れているのが印象に残っている。
その日を境に、もう実家には帰っていないし、じいちゃん、ばあちゃんにもあっていない。
そしてもう一つ、その日の境に変化したことがある。
とてもいやな夢をときたま見るのだ。
とても霧がかかったあの敷地内で笑い声が聞こえる。
不意にそちらのほうを見つめると
おかっぱ頭で、着物を着た子供が後ろ向きで手毬を跳ねているようだ。
そしていつも気づくのである。
笑っているのは子供ではなく、子供が手で付いている人間の頭だということを
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