この怖い話は約 2 分で読めます。

791 4/4 2008/09/03(水) 20:24:16 ID:g69XFD4Z0
「い゛ぃ・・・っ・・・」と僕の喉の奥から叫びにもならない音がし、驚いて飛び退いた瞬間、
ぶつり・・・という音と同時にソレは僕の足元に降って来ました。
人としての形は完全に崩れており、その背中であったろう場所には子供の形をした赤黒い肉塊がべっとりと張り付いていました。
大急ぎで石段を降りたところで何か背後に寒気を感じ振り返ると、
何かボールのようなものがぐちゃり・・・ぐちゃり・・・と転がり落ちて来、
まるで僕の両手に収まる予定であったかのように、何故だか僕はソレをキャッチしていました。
ボールよりは人の顔に近い、とはいえ頭蓋からは肉が飛び出し、唇の裂けたソレは、
全く身動きのとれない僕に、『あの日』のように「にちゃり・・・」と笑いかけて来ました。

「坊んも・・・逝くか・・・」

そのまま僕は意識を失い、気が付けば隣家のおばさんが僕を見つめていました。
何があったか?と聞いてくるおばさんにどう答えれば良いのかも分からず、僕自身もあやふやなままその体験は幕を閉じました。

昔あの場所で何があったのかは全く知らないままなのですが、
その木の根元には毎年二本だけ彼岸花が咲きます。

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