この怖い話は約 3 分で読めます。

783 本当にあった怖い名無し 2013/09/27(金) 05:44:41.19 ID:9sdwK5J60
ある日、私は家から少し離れた公園で時間を忘れて遊んでしまいました。気が付くとすでに日は落ち、急いで帰る頃には辺りはすっかり暗くなっていました。

親にする言い訳なんかを考えながらエレベーターホールに飛び込み、ボタンを押すと、しばらくしてエレベーターが降りてきました。さっそく乗り込み、棒で8階を押し、ドアを閉めます。
ゆっくりとエレベーターが上に上がっていくと共に、ゴウン…ゴウン…という単調なリズムで機械の鈍い音が室内に響きます。

その時、微かにですが、ガサッ…ザザザ…っと、後ろの壁から機械の音とは違う不規則な、例えるなら甲殻類が蠢いているような…なんとも不思議な音が聞こえました。

なんだろうと思い振り返ってみると、例のフタに1センチあるかないかぐらいの隙間が空いていました、今思えば恐らく棺桶を運んだ後、管理人が鍵を掛け忘れたのだろうと思います。

そのフタの意味を知っていれば気味悪がって何も聞かなかった事にすると思うのですが、当時の私はエレベーター内は聖域だと思っている節があり、恐怖心なぞ微塵も無かったので、即座にその隙間に棒を差し込み、てこの原理でこじ開けました。

784 本当にあった怖い名無し 2013/09/27(金) 05:56:29.82 ID:9sdwK5J60
フタは簡単に開きましたが、中を覗いて見ても、何もない空間がタダぽっかりと口を開けているだけで、目新しい物はありませんでした。ちょうどその時、エレベーターが停まったので、8階に着いたんだなぁと思い振り返りました

そこで私は見てしまいました

ドアが開くと視界に入ってきたもの

それは、薄暗いエレベーターホールの真ん中に立つ人

いや、明らかに人間ではありませんでした

人の形をした灰色の物体が中腰姿勢になり、上半身を揺らしながらゆらゆらと立っていました

姿ははっきりと見えているはずなのに、服を着ているのかもどんな顔をしているのかもわからない、何故か中心がボヤけていて、そこに光が吸い込まれているように見えました。

私は呼吸するのも忘れてこの謎の物体を見つめることしか出来ませんでした、

785 本当にあった怖い名無し 2013/09/27(金) 05:59:35.31 ID:9sdwK5J60
どれだけの間眺めていたのか。

気が付くと私は自分の家の布団の上に横たわっていました。
周りには母と知らないお婆さんが隣に座っていました。
一瞬自分に何が起きていたのか分かりませんでしたが、
母は私が目を覚ましたと父を大声で呼び、父は私に駆け寄って来て強く抱きしめてくれました。
その瞬間私は、エレベーターで見た恐ろしい光景を思い出し家族にしがみつきながらむせ返してえずくほど大泣きしました。

807 本当にあった怖い名無し sage 2013/09/27(金) 16:36:48.81 ID:UvbVF0930

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