この怖い話は約 3 分で読めます。

もちろん、こちらの経緯と、お聞きしにくい事ですが止むを得ずと言う旨は伝えたのだが、徐々に
声が上ずってきていた。
非礼を詫び、私も真相が知りたいのですと食い下がり、手紙が本人の物であるかどうか見てもらう
話をつけた。

その住所は都内だったため、その週の土曜に俺はすぐにそこを訪れた。
声のヒステリックさとはイメージの違う、意外と普通の40後半ぐらいの女性がドアを開けてくれた。

712 本当にあった怖い名無し sage 2010/03/20(土) 23:40:07 ID:7ORJYlCi0

701 本当にあった怖い名無し sage 2010/03/16(火) 10:02:56 ID:sIMI8QeB0
応接室に通され、そこで手紙を見せる。
「○○○の文字です・・・。でも返信用封筒が刑務所の住所だなんて・・・私にも分かりません・・・。
でもあの子はおとなしい子ですからその人とは違うんです・・・。」
その後続いた会話での彼女の弁を信じるのなら、○○○とは高校卒業後引きこもるようになり
大人しく優しく、でも人を怖がって、彼女ですら部屋には入れたがらなかったという人らしかった。
20後半の年齢は、ネットで調べた受刑者の物と一致していたが、それには触れられなかった。

「マスコミの方なら○○○の居場所を調べられるんじゃないんですか??お願いします。もう一度
会わせて謝らせて下さい、お願いします。」
急に目をむいてそう言いはじめた彼女に、自分には一般人ができる事しかできない事を前置きした上で
分かった事があったら連絡致しますと伝えた。

「○○○さんの部屋、もしよろしければ見せて頂けませんでしょうか?」
恐る恐る聞いてみた。彼の記した別の文章があれば、自分で筆跡を照らし合わせる事もできるし
何かしらのヒントがあるかもしれないと思ったからだ。

713 本当にあった怖い名無し sage 2010/03/20(土) 23:40:28 ID:7ORJYlCi0

702 本当にあった怖い名無し sage 2010/03/16(火) 10:11:17 ID:sIMI8QeB0
一瞬躊躇いの表情を浮かべはしたが、「はい・・・そうですね・・・でも○○○には内密にお願いします」
そういって彼女は2階へと俺を促した。

確か3部屋あった2階は、どの部屋もドアが閉められていて、廊下は薄暗かった。
一番奥の部屋へと通された。古い箪笥と押入れがあるだけの部屋だった。
何も無いじゃないか。引きこもりと聞いて想像していたPCや本で埋もれた部屋とはあまりに違い思わず
尋ねた。
「ここが○○○さんのお部屋なんですか?」

「いえ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あの・・・・・こちらが・・・・」
彼女が指差したのは押入れ。その時点で体が震え出したが、その後ふすまを開け声が出そうになった。
彼の部屋は押入れでもなかった。押入れの中には、宗派は分からないが恐らく仏教系のお札があちこち
に貼ってあった。血の気が引く思いで彼女の一歩後ろからそれを眺めていると、彼女が言った。
「この・・・天井裏が・・・○○○が好きだった部屋なんです」

Page: 1 2 3 4

bronco

Share
Published by
bronco

Recent Posts

迷い

霊とかとは全然関係ない話なんだ…

4年 ago

血雪

全国的にずいぶん雪がふったね。…

4年 ago

母親の影

私が小6の時の夏休み、薄暗い明…

4年 ago

閉じ込められる

彼はエレベーターの管理、修理を…

4年 ago

彼女からの電話

もう4年くらい経つのかな・・・…

4年 ago

テープレコーダー

ある男が一人で登山に出かけたま…

4年 ago