Categories: 生物・妖怪

尾の長い生物

この怖い話は約 3 分で読めます。

402 本当にあった怖い名無し sage New! 2006/10/28(土) 02:04:16 ID:CJLmAZrh0
(1/8) 尾の長い生き物

僕にはいくつかの変な癖がある。
まぁ、本当にどうでもいい癖なんだけど、いやしかし、癖と言ってもいいのか…
とにかく、僕は自己中毒に陥りやすい体質で、極度の緊張などに耐えられなくなると咳き込んで嘔吐したい気持ちになる。
もちろん、実際嘔吐した頃はないけれど。
で、時々、緊張もしないのに酷い嘔吐感に襲われることがある。

そんな時は決まって、僕の周り、もしくは僕自身に、奇妙な事が起こる。

403 本当にあった怖い名無し sage New! 2006/10/28(土) 02:05:13 ID:CJLmAZrh0
(2/8)

始まりはいつの頃か忘れた。
けれど鮮明に、今でも思い出す事がある。

中学3年の頃、ある進学塾に通っていた。
行き来は自転車、その道筋の中に、小さな祠が建てられていた。
確か白い狐が祭られていたから、お稲荷さんだったと思う。
名神高速道路の高架下にあったせいか妙に薄暗い雰囲気だが、それでも僕はその祠が何故か好きで、いつも5円だの10円だの、少しだけ石段に乗せて祈っては、塾から家に帰るのだった。

404 本当にあった怖い名無し sage New! 2006/10/28(土) 02:05:43 ID:CJLmAZrh0
(3/8)

ある日の事だった。
じめじめとした空気、夏だと言うのに馬鹿に薄暗い空。
僕は塾から家までの道のりをのんびり自転車をこいで帰っていた。

今日もあの祠に寄ろう、そう考えていた矢先、雨が唐突に降り出した。
と言っても、ほんの小雨なので特には気にならない。
少し蒸し暑いのが減っていい位だ、慌てる事無くゆっくり自転車をこぎ、

う………

突如、激しい嘔吐感が胸に来た。
吐きたいのに吐けないもどかしさの様なものが渦巻く。

その時は自転車をこいでいたので、
ただ早く帰ろうと自転車の変速を切り替えて早くこぎ出した。

そして、妙な違和感に襲われる。
異常ににペダルが重い。
ギシギシ音を立てて、そう、ペダルが重いというか、まるで自転車全体に負荷が掛かっているようだ。

何だよこれ……
変速が壊れたのかと元に戻してみても、その負荷は直らない。
懸命に漕いでいるのに、歩いていく人にさえ抜かされる。

406 本当にあった怖い名無し sage New! 2006/10/28(土) 02:06:46 ID:CJLmAZrh0
(4/8)

雨は少しずつ強くなっていき、生暖かい空気が首筋を駆け抜ける。
………え。
そして僕は青くなった。

生暖かい空気は、首筋に断続的に掛かるのだ。
そう、例えて言うなら、…後ろに何かを乗せている感じで、
……まさか、

僕は乗せているのか?
……何かを?

そう思った瞬間、背中に怖気が走る。

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