この怖い話は約 3 分で読めます。

その後、上海の仕事に没頭し某市での暮らしも記憶から薄れていき、中国3年間の任期を無事果たしました。

私は某市と上海の両方で働いておった為、送別会は両方の会社からやってもらえる事となり
某市側での送別会の際に再びあの某市の日本人街に足を踏み入れる事になりました。
最後に某市日本人街に行ったのは、DVD屋のおっちゃんの店にお別れを言いに行ったのが最後だったので
半年ぶりの某市日本人街に少しわくわくしていました。

173 まじ話しです。 sage New! 2011/09/30(金) 16:46:50.69 ID:BFwOuE090

半年ぶりの某市日本人街に浮かれながらも、無事に送別会は終了。
以前から仲の良かった某市工場の工場長(日本人)と二人でスナックで飲む事になり
どの店に入ろうか~と、一直線に300m程ある日本人街をうろうろして可愛いお姉ちゃんの居そうな店を物色していました。
今さらですが、この日本人街は真っ直ぐ伸びており道の両側にスナックやら飲食店がずらーっと立ち並んでおり
時々、右や左に抜ける細い抜け道があるくらいで基本的には1本道。
この通りの要所要所に最初の方で書いた、小銭をせびりに来る人達が様々な方法でお金をもらおうと必死になっています。

この小銭せびりの人たちは、色々な手段で日本人からお金をもらおうとします。
小さな子供を利用し花を売りつけに着たり、目の見えない人の楽器演奏、大怪我をしている人をつれてきては治療代等・・
これは有名な話ですが、この乞食の人たちは個人個人でお金せびりをしているわけではなく、元締め的な存在が居り
夜遅くなると迎えが来てどこかへ皆まとめて帰って行きます。
そしてまた次の日の夕方くらいから各自の縄張りへと戻されるわけです。
この乞食の元締めがどういう存在なのかは分かりませんが、小銭をせびりにくる人達の目は必死そのもので笑顔等殆どありません。

話を戻しますが、こういう乞食の人たちをうまく避けながら店を物色していると妙に違和感のある乞食の人が目に止まりました。
しばらく見ていると工場長から「最近あいつよく居るよ、怖いからあんま見んな」と言われ、何が怖いの?と聞き直すと
「見た目がやばい」という回答がありました。
私の感じる違和感の原因や見た目がやばいという言葉がどうしても気になり、その乞食さんを近くで見たい衝動に駆られ
近づいてみる事にしました。

そしてその乞食の人を見た瞬間、なんか背筋が凍るというのか、目の前が真っ白になるというのか表現しきれませんが
絶句しました。
あのDVD屋のおっちゃんのとこに居た無口なおっさんが乞食になっていました。

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