Categories: ホテル・旅館

ナルコレプシー

この怖い話は約 3 分で読めます。

278 4/6 sage New! 2007/11/28(水) 00:37:59 ID:seAkH0Uz0
それからどれくらいの時間が経ったかわからないけど、案の定怖くて眠れない。
さっきの顔が頭に焼きついて離れないんだよね。
あんな顔の上司は今までに見たことがなかった、マジで。
まるで別の誰かが笑いながら死んでる感じだった。今も隣でさっきの顔になってたら
どうしようとか、突然笑い声が聞こえてきたらどうしようとか
そんなことばかり考えちゃって。なんか怖いときって自分で勝手に想像して
どんどん深みにはまちゃうけど、もうまさにそれ。
おまけにトイレ行きたくなるし。さっき行ったよね俺。

しょうがないんでまんじりともせず頭からシーツにくるまって目をつぶってたんだけど、
今度はミシミシと部屋を歩く足音が聞こえてきた。向こう側からこちらへゆっくりと
歩いてきている感じ。明らかに重量を感じさせる床のきしむ音。
おかしい。誰かが入ってきたのなら絶対に気づくはず。っていうかドアはオートロック
で外から入れるはずがない。でも部屋は静かではっきりとわかる何者かの足音。
一瞬上司かもと思ったが起き上がるときにシーツの音がするはずだ。
強盗だったらやばいけど目を開けることができない。幽霊だったらもっとやばいし。
さらに足音は近づいてくる、かと思えば急に立ち止まる。これがまた怖かった。
だって止まってる間、そいつは一体何をしているのだろう?

279 5/6 sage New! 2007/11/28(水) 00:39:20 ID:seAkH0Uz0
その後も足音は時々立ち止まったり、急に足早になったりとベッドの周りを
不規則に動き回っているようだった。部屋をのそのそと歩く黒い人影を想像して
かなりやばかった。震えが止まらない。
そうこうしているうちに、ついにその足音は自分の近くまで接近してきた。
うわぁやられる!と身を固くした途端「おい」という声とともに肩をつかまれた。
そのときひょっとしたら怖さのあまり悲鳴をあげたかもしれない。
正直に言うとあげた。だって怖かったし。
「大丈夫か?」
声の主は上司だった。

280 6/6 sage New! 2007/11/28(水) 00:40:22 ID:seAkH0Uz0
どこからが幽霊(?)でどこまでが上司の足音だったのか。
俺は今までの経緯を自分が感じたままに上司に話した。しかし上司は、
「どうせ夢でも見たんだろ」とか「俺の病気が移ったか?」などと笑いながら
ちゃかして真剣に取りあってはくれなかった。
「ちょっと寝れそうにないんで、起きてていいですか?」
俺は上司にそう言って部屋の電気をつけた。全部。だって怖かったし。
上司は煙草吸ってた。俺はただ起きてるのも暇だったので、鞄からノーパソ引っ張り
出してきてソリティアとかやってた。

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bronco

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