この怖い話は約 3 分で読めます。

716 本当にあった怖い名無し 2008/03/04(火) 03:50:17 ID:klF1fz0o0

22時を過ぎるとEVの電源は切られてしまう。
節電だとか言っているが、そんな節電は無意味だと今なお思う。
計画性のない職員が担当の場合、模試の前日にバイトの就業時間22時を過ぎることはよくある話だった。

後輩に泣きつかれて、サクサクと仕事を終わらせた私は、
教室の施錠をしてフロアの電気を消した。

見えるのは非常灯の明かりだけ。
他のフロアももう真っ暗。
そんな中、薄暗い階段を下りるのは私だって嫌だ。

『せんぱーい・・・』

『何』

おびえきっている後輩が今にも消えそうな声で袖を引っ張る

717 本当にあった怖い名無し 2008/03/04(火) 03:50:50 ID:klF1fz0o0

『あきらかに今EVが動く音がしてるんですけど』

時刻22時20分
 そ ん な わ け は な い

718 本当にあった怖い名無し 2008/03/04(火) 03:54:43 ID:klF1fz0o0
『ちょwよりいっそう自分の首を絞めるのはやめたまえよww』
『冗談でそんなこと言うわけないじゃないですか』

後輩がマジ泣きし始めた
そんな雰囲気じゃあ、いくらドSと名高い私でも怖くなるに決まっている

気づかないうちに二人とも声が震えている
信じがたいことに、確かにEV特有のゴォーッという音が聞こえる
着実にあの狭い密閉空間が7階に迫っている
目に見えない何者かが乗っている可能性は、今の状況下だと多分高いんだろう
でも、EVランプは消えている
22時にEVの電源は切られているはずだ
しかも、翌日に備えて、2台あるEVは両方とも1階に下りているはず。
7階にくるはずがない。

ぐるぐるとありえない情報が私の脳内に取り込まれ、
ヤバイという生物的本能が働き始めた。

『早いとこ、おりるよ』

後輩の手をとって階段を駆け下りた。

719 本当にあった怖い名無し 2008/03/04(火) 03:55:35 ID:klF1fz0o0

6階に差し掛かったとき、7階フロアからEVのベルとドアが開く音がした。
肌というか、感覚が感じる冷たい空気。

やばい。

二人とも顔が引きつって、半泣き状態で駆け下りた。
絶対振り返っちゃいけない。
今振り返ったら、絶対階段の上の方で目があう。
目、あるのか?
いや、そんなことを考えてる場合じゃない。逃げなきゃ、後輩連れて帰らなきゃ。

『私はチューターでも講師でもありませんので君のお力に離れません!!!』

今考えると、よくわからないことを口走りながら1階までノンストップ一段飛ばしで駆け下りた。

7階で止まったEVは、しまる気配もなく止まっているようだった。

720 本当にあった怖い名無し 2008/03/04(火) 03:56:09 ID:klF1fz0o0

本校舎の教務に泣きながら帰ると、
職員さんたちが慣れた雰囲気で

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