この怖い話は約 3 分で読めます。

253 登れない階段3/5 2007/11/09(金) 17:39:05 ID:rRGvWjsF0
・・・・・
・・・薄暗い・・・
場所が良く分からない・・・
何か、階段の前にいるようだ・・・階段・・・?
どこかの建物の階段の一番下らしいが、階段の踊り場にある窓からかすかに光がさしている・・・
その場所から別の部屋につながってる様だが、なぜか行く気がしない・・・
とにかく登らないと、ここにいてはいけない、そんな気がした・・・
足を踏み出し階段を上ろうとした、が出来ない・・?
何故だろう、足が重い・・・
よく見ると足元にツタのようなものが絡んでいる・・それが徐々に自分の体へと絡んでいく・・・
ツタを取り払おうとする・・・が、今度は階段の方から大きなベニヤ板らしいものが自分の体に
倒れかかってくる・・・薄いのでこれも払おうとするが、何か次々板が階段の上から倒れてくるようだ・・
板のせいでかすかな光も見えなくなりつつある・・・
とうとう幾重にも重なるベニヤ板と絡まるツタのせいで、仰向けに倒れてしまった・・・

・・・苦しい・・・重い・・・呼吸が出来ない・・・暗い・・・

・・・ここで死ぬんだ、そんな気がした

・・・あぁ、階段を・・階段を、登りたかったのに・・・

254 登れない階段4/5 2007/11/09(金) 17:40:14 ID:rRGvWjsF0
ここで目が覚めた。夢だった。
9月中旬とはいえ肌寒い山間での深夜、車内で汗だくになっていた・・・
午前2時20分、先輩はよく寝ている。
あの夢は何なのかというよりほぼ確証がその時点で、あった。
怖い、とは当然思った。が、行かなくてはという気になった。
先輩をそっと起こし、次の巡回は自分一人でするのでと告げ、待機所から車を走らせ病院へと向かった。

病院の外観は先ほどと変わりなかった・・・
順路どおり内部へ入館。
2階の確認を終えた。ここで順路通りではない、階段を探してみる。
配置図通り、階段はあった。そのまま降りていく。幅2mもない狭い階段。足元を懐中電灯で照らす。
踊り場がある。窓から川が見える。
1階に着いた。ここで1階を巡回しなければならない。が、そのまま地下へ降りてみる。
1階と地下の間の踊り場・・・窓ガラスがベニヤ板らしいもので外から封じられている・・・
(本来地下に窓があるはずはないが、後で外から確認したがここは斜面にある建物なので窓があり、
すぐその下は地面になっていた)
日が昇ると光がさすのだろうか・・・
そして、地下へと降りて階段を見上げて懐中電灯を照らす・・・

・・・光はさしてないが、夢と全く同じ光景・・・

255 登れない階段5/5 2007/11/09(金) 17:41:17 ID:rRGvWjsF0
・・その後の事はよく覚えていない。
それから、俺は一人立ちして機械警備に当る日々を送る事となった。
が、ことごとく、俺には事故と事件が付きまとった。
強盗、殺傷、暴力、交通事故、機械の故障・・・
こんな仕事だから当たり前と言えばそれまでだが、その起こる頻度が並ではなかった。
次第に自分と同じ勤務になるのを避けようとする同僚も多くなり、仕事はうまくいかなくなった。
結局、1年しないで俺は仕事を辞める事になった。

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