こっくりさん・盛衰

この怖い話は約 3 分で読めます。

なぜかYちゃんはそれが自分の成果でもあるように嬉しそうだった。

俺:「俺もちょっとだけ興味があるんだけど、それって結構難しいの?」

Yちゃん:「興味ある?ホント?じゃあ、今度やって見る?」

Yちゃんはとても嬉しそうだった。
学校から禁止されていることなどは、お構い無しである。

448 446 sage 2008/08/18(月) 17:07:35 ID:onJH8sT40
俺:「ああ、機会があったらね。でももう、学校ではできないじゃん。どこでやるの?」

Yちゃん:「S美の家で。今すごいよ。私達かなり本格的だよ。明後日もやるから来てよ」

俺:「S美?S美がそんな環境を作ったの?」

Yちゃん:「環境はその場で作るのよ。道具は私が持ち歩いているから」

と、俺に小道具が入ったバックを見せてくれるYちゃん。
水晶玉とか、タロットカードとか・・・いかにも少女マンガに出てきそうなグッツが一杯入っていた。

俺はその場では適当な回答をして、とりあえず今回は辞退すると言うことを伝えた。
Yちゃんは残念そうだが、俺の腹の中は決まっていた。
グッツがしばらく無くなれば、万事解決じゃん!!って。
放課後にみごと盗み出した俺は、卒業まじかに返そうと思ってそのまま机の奥深くへ封印!
Yちゃんは次の日、大泣きしていたが、その後、発狂する生徒もいなくなり、
「コックリさん」自体のブームが完全に去った。

俺はと言えば、バックがだんだん返しずらくなり、どうせ中学も同じ中学だから
機会があるときに返せばいいかと、返さずに机の奥深くにいれっぱなしにしていた。
そして、そのままバックの存在を忘れて卒業してしまった。

449 446 sage 2008/08/18(月) 17:10:49 ID:onJH8sT40
それから数年経ったある日、お気に入りのペンが無くなり、机の奥を探していて
Yちゃんのバックを見つけたんだ。
懐かしい。罪悪感など無くなっていた。あるのは懐かしさと思い出のみ。
空けて見ると、タロットカード、水晶玉、ライト、鏡、汚い櫛、
わら人形、変な箱、よくもこんなに本格的で高そうな物を集めたものだなと感心する。
もはや返す気も無いのでライト以外の物は、その時にすべて捨てた。

ライトは金属製で、軍用みたいに頑丈そうだった。
ライトをつけて見ると・・・電池は小学校の頃から一度も変えていないのに物凄く明るかった。
これは使えると思い、非常用に取っておくことにした

で、またしばらく経ってから、ふと思い立って夜中に真っ暗な部屋の中でライトをつけて見たわけ。
・・・驚いたね。ライトを照らしたところだけ(正確にはライトから壁までの間に)、部屋の中に雪が舞っているんだ。
なんだこれ・・・窓も空いているし、埃じゃないよ。
大粒の雪が降ってくるんだよ。
おかしいと思って部屋を明るくするとまったくそんな気配は無い・・・
別のライトを部屋でつけて見ても、そんな現象は起きない。

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