この怖い話は約 3 分で読めます。

BとCにもAさんは同じものを渡そうとしたらしいのですが、二人は夏の一件からAさんを怖がるようになった、というか
本当にヤバイ人なんじゃないかと思ったらしくて避けてるみたいでした。
Aさんが困って私にそれを渡すように言ってきたので私が渡すと、「あの人怖すぎる、やばい」と言って聞く耳持たず。
結局二人には渡せなくて、Aさんにその旨を伝えると「そう」とだけ言ってそれ以後何も言いませんでした。

その後、BとCの身内が次々と亡くなりました。
Bはご両親が事故死、妹さんが謎の中毒死。Cも入院していた母親が急に亡くなり、父親が投身自殺、兄が水死。
それどころか、親戚の人がここ一年半位の間にバタバタ倒れたりと不幸続きみたいです。
Bはすっかりノイローゼみたいになって中退してしまい、Cはある日突然アパートに荷物を残したまま車と一緒に失踪。
Cと同じバイト先だった友人は、「バイトのシフトの日に無断欠勤して、次の日アパートから消えてたらしい。ご両親が
バイト先にまで来たから、実家に帰ったって訳じゃないみたい。謎の失踪らしい」と言ってました。
ちなみに未だにCが何処にいるのか分からないままです。

243 本当にあった怖い名無し sage 2009/02/15(日) 11:44:02 ID:rrgBLLJJ0
AさんはずっとBとCの話はしませんでしたが、この間の冬休みに突然「もう一度村に来て欲しい」と言われました。
あんなことがあったので内心怖かったんですけど、BとCのこともあったので一緒に行きました。
雪が積もってたのですが山村は凄く綺麗で、Aの祖父母も最初の優しいおじいちゃんとおばあちゃんでした。
ただ、Aさんが私に持ってこさせた例のお札を見せると、お爺さんが一個と「駄目だったか」と悲しそうな顔をしました。
そしていきさつを話し始めました。

Aさんの母方の家がある村は山の神様を信仰していて、Aさんの母親の実家はそれを奉る役割だそうです。
ただ何代か前はその役目は別の家のもので、その人達は山の上にある例の廃屋となった屋敷で暮らしていたのだと。
ある日突然、原因は不明ですがその家から「獣憑き」が出たそうです。
憑いたのは全部で三人で、一人は山の上の崖から、一人は淵に飛び込んで死に、残る一人は謎の中毒死。
しかし死者はそれだけに留まらず、わずか二年の間にバタバタと人が死んでその家は途絶えてしまったそうです。
その後、村の中でその家族から嫁を貰ったことのなかったAさんの家がその役目を引き継いだそうです。

不思議なことに、そのお役目を引き継いだ日にご先祖の夢枕に白い獣が立って、奉るべきご神体の埋まっている樹の
ある場所を告げて、それを掘り出して奉るように言ったそうです。そして、あの屋敷に立ち入ってはいけないとも。
Aさんのご先祖様はその言葉に従ってお告げの場所から「何か」を掘り出し、家の中にお奉りした。
その「何か」があるのが、あの奥の座敷の神棚にある小さなお稲荷さんなんだそうです。
そこからAさんの係累には代々霊感の強い人間が生まれるようになり、山の上の廃屋は禁じられた場所になったのだと。

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bronco

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