Categories: 師匠シリーズ

首をもがれたバッタ

この怖い話は約 2 分で読めます。

966 5/5 ウニ 2006/01/21(土) 11:42:55 ID:9bX5hJte0
半年ほどたって、師匠が言った。
「あの廃病院の足音、覚えてる?」
興奮しているようだ。
「謎が解けたよ。たぶん」
ずっと気になっていて、少しづつあの出来事の背景を調べていたらしい。
「幻肢だと思う」と言う。
あの病院に昔、両足を切断するような事故にあった女の子が入院していたらしい。
その子は幻肢症状をずっと訴えていたそうだ。
なくなったはずの足が痒い、とかいうあれだ。
その幻の足が、今もあの病院にさまよっているというのだ。
俺は首をもがれたバッタを思い出した。
「こんなの僕もはじめてだ。オカルトは奥が深い」
師匠はやけに嬉しそうだった。
俺は信じられない気分だったが、
「その子はその後どうなったんです?」と聞くと、
師匠は冗談のような口調で冗談としか思えないことを言った。

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