この怖い話は約 3 分で読めます。

314 着信7百回の男 age 2008/01/11(金) 23:51:11 ID:r6Yk4h+Z0
警察に行くと、爽やかな男がニコニコして待っていた。
男は20代後半って感じだ。
男「いや、ありがとう。助かったよ。ホントありがとう」
それから、警察のおっさんと、その男と、Aと俺でしばらく、ありがとう、いえいえ、みたいな会話をした。
男「君たち、お腹はすいてないかい。なんか食べようよ。
 いい店があるよ。僕が美味いと思うお勧めの店だよ」
と誘われた。男とAと俺で飯を食いに行く事になった。
アメリカンな店だった。ステーキだ。
男は明るくて良く話す人だった。
自分は広告代理店で働いていて、この店の店長とも知り合いで、店長は他にも店を持っていて
店の広告とかは自分が作ってとエラい勢いで話してくれた。
メニューを選ぶ時、俺とAがどれにしようかな、和風ソースが良いかな、と迷っていると
男「おい、なににする、君たち、これが良いぞ、これが
 焼き方はどうする。ここはレアが良いぞ。
 これにしろ、これがでかくて食いごたえがあるんだ
 あの~すみません。オーダー良いですか」
みたいな感じでパワフルだった。
そんな風に食って話してって感じだった。
あと男は無性に褒め上手だった。俺とAのことを
「良いね~良いね~」と何度も言った。

315 着信7百回の男 2008/01/11(金) 23:52:43 ID:r6Yk4h+Z0
男「そうだ、君たちの携帯の電話番号を教えてくれないかな
 これを機会に、友達になろうよ」
あ、良いっすよと俺が言おうとすると
それを遮ってAが「いや、良いっすよ。そんな。良いっすよ。ほんと」と
携帯の番号を教えるのを嫌がった。
そう言えば、Aはいつもより無口だった気がする。
男が一方的に話して、こっちは相づちを打つだけだったから
気にならなかったが。
Aはしつこく断わり、男は一瞬むっとしたように見えたが
すぐに笑顔になった。
男「君たちも色々あるだろうから、慎重になるんだろうね
 良いよ良いよ、気にしないで。じゃ、そろそろ行こう」
と男は立ち上がった。
え?ちょっと俺、食いかけなんですけど、まだ肉が。。。とほほ。
男は既に食べ終わっているようだった。
良く分からないが、男は急にそそくさした感じになった。
俺とAはごちそうさまでした。ありがとうございました。
と礼を言った。
男「良いって。美味かっただろ。この店また来いよ。
 そうすりゃ会えるかもな」
それで別れた。

316 着信7百回の男 sage 2008/01/11(金) 23:54:08 ID:r6Yk4h+Z0
俺「おいA、どうしたんだ。腹の調子でも悪いのかよ(笑)」
A「いや、ちょっと気になってな」
俺「なんだよ~」
それからAは自分の考えを話してくれた。
A「多分、あの男は携帯の持ち主じゃねえぞ
 だいたいあんなに、しつこく何度も電話するなんて普通じゃない
 多分なんだが、あいつは自己愛性人格障害だ」

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