この怖い話は約 3 分で読めます。

351 1/9 sage New! 2008/05/29(木) 14:23:53 ID:49roVKq00
長文で、すみません。

中学校の修学旅行で東北へ行った。
私のグループは5人だったけどその中の一人の知子(仮)とは親友だった。
3日目、午前中は「昔この辺にじいちゃんのお屋敷があったんだって~」と
はしゃいでいた知子だったが、午後になってバスに酔ったようだ。
それでもなんとかその日の観光を終え、夕方ホテルに着いた。
ホテルには大浴場があり、皆でお風呂に行こうということになったが
知子はまだ本調子じゃないらしく、部屋のシャワーを使うと言って部屋にひとり残った。

私はみんなで大浴場に行ったものの、のぼせやすいので皆の長風呂には付き合えないので
先にあがってきてしまった。
一人戻る途中、ロビーの奥に郷土資料コーナーのようなものを見つけて、ちょっと寄ってみる。
なにやら隠れ切シタンについてのものが多かった。そう言えば今日まわったところにもそんな場所が
あったな。

352 2/9 sage New! 2008/05/29(木) 14:25:02 ID:49roVKq00
ふっと気付くと、ホテルの従業員らしいおじさんがニコニコとこっちに近付いてきた。
「おもしろいかい?」と聞いてくるので、
「歴史が好きなので興味があります。この辺は隠れ切シタンと関りがあるんですか?」
「おじさんの先祖もその生き残りだ。この辺の人はそういう人が少なくない。」
「弾圧を受けてのうらみとかは 受け継がれるものなんですか?」
当時、中学生だったので我ながら無神経な質問をしてしまったものだと思う。
「いや、そんなことはないよ。そういう時代だったんだ。でも・・・」
そこで今まで穏やかに話していたおじさんの目つきや語気が変わった。
「アイツ等は許さん。裏切り者、密告者。仲間だと思って信じてたアイツ等!末代までぇえ…!!」
なんだか怖くなった私は、「すみません、もう戻らなきゃ。」とだけ言って、逃げるように部屋へ向かった。
部屋の近くまで来ると私たちのドアの前に何か張り紙が貼られているのに気づいた。
その紙に書かれていたのは、

「密告者」

353 3/9 sage New! 2008/05/29(木) 14:26:33 ID:49roVKq00
さっきのおじさんの話もあり、なんか気味が悪いのでさっと剥がしてポケットに丸め入れる。
部屋に入ると、まだみんな戻ってきていないようで知子だけがボーっと座っていた。
「どうしたの。まだ調子悪い?」と聞くと
「ちがうの。でも私イラついてて…もしかしたらヤバい事しちゃったかも・・・。」
???いまいち話がつかめないので順を追って話してもらった。

彼女の話はこうだ。
みんなが風呂に行った後、彼女は早々にシャワーを浴びて横になっていた。
すると、押し入れからガサゴソと音がする。彼女が押し入れをそうっと開けると、
押し入れの隅にしがみつくように白い浴衣を着た老婆が背を向けて固まっている。
彼女は怖くなって速く部屋を出ようと思ったが、
今度は部屋のドアをガンガンガンと異常なくらい大きく執拗に叩かれて動けなくなる。
ガンガンガンガン・・・・

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