この怖い話は約 4 分で読めます。

354 4/9 sage New! 2008/05/29(木) 14:28:38 ID:49roVKq00
なおドアは叩かれ続ける。
老婆の方を見ると、さらに強く押し入れの隅にしがみついてガクガクと震えている。
コイツ(老婆)、たいした事なくない?
ってか、さっきみんなで隣の部屋に遊びに行ったとき、カギ開け放しだったから
ボケた婆さんでも入ったのかな?
このノック音だって誰かの悪戯じゃない?って思ってだんだん平常心を
取り戻してきた彼女がゆっくりドアに近付くと、急に音はピタリと止んだ。
そして少し間をおいて普通のノック音とともに「遊びに来ましたぁ~!」とクラス
の男子たちの声がするので、彼女は内心やっぱりコイツ等のイタズラかと思ったそうだ。
ドアを開けると、仲良いグループの男子たちが立っていて、怖がっていたと思われるの
も癪なので何も無かったように振舞ったと言う。
「みんな、お風呂に行ってるから私しかいないよ。」
言ってから、気まずい空気に気付く。
「じゃ、じゃあ夕食の後に俺らの部屋にみんなで遊びに来てね。」
誤解された。
そう言うと男子たちは、ヒソヒソと話しながら戻っていく。
「たぶん生理だろw」なんて笑われてるんだと思うと無性にイラついてきたらしい。

355 5/9 sage New! 2008/05/29(木) 14:32:00 ID:49roVKq00
一人でどっかの婆さんに怯え、男子たちのイタズラにも引っ掛かり、
しまいにはどうでもいい事をネタにされてるってね。
部屋に戻ると、老婆は押し入れから出てニヤついている。
浮かべる薄ら笑い、乱れた髪、胸が半分以上見えるくらい開いた襟元にも
イラついて最強状態の彼女には恐怖心より嫌悪感しか感じなかったらしい。
「ここアンタの部屋じゃないんだけど!出て行ってくれない?」と言うと
老婆はニヤつきながら
「・・・おとこぉ…。ワカい、ぉとこぉおお・・・・。」
彼女は自分も驚かされたんだし、男子たちもちょっと怖がらせてやろうと思い
「アイツ等は2階の2012号室にいるよ。暇なんだって。」と言うと、
老婆はニタァ~と笑って、消えてったそうだ。

「やっぱマズかったかな~?教えるべきじゃなかったよね?」とちょっと不安そうな知子に
「大丈夫だって!その部屋男子5人もいるんだよ!なんともないに決まってるじゃん。」
そう笑って言った。
「・・・じゃあさっ、一緒に見に行ってくれない?」
お願いっと彼女が両手を合わせる。私もその後が気になったのでOKして、部屋を出た。

356 6/9 sage New! 2008/05/29(木) 14:38:51 ID:49roVKq00
途中廊下で同じ部屋の子に会い、「もうすぐ夕食だよ」と言われるが、「すぐ行くから。」と答える。
2階に下りると、もう既に皆食堂へ移動しちゃってるみたいであたりは静まっていた。
「もう、食堂の方に行っちゃってるかもね。一応、部屋見に行く?」と聞くと、
彼女がうなずく。
長い廊下を歩いていると、何か音が聞こえてきた。
向かっている方向から聞こえているようだ。ヵンヵンヵンカンカンガンガンガン・・・・。
近づくにつれ音が大きくなっている。
「さっきウチらの部屋で聞こえたヤツと一緒だよ!!」と知子が囁く。
知子が聞いたという音はどうやら男子たちのイタズラじゃなかったようだ。
近くまで行くと、従業員らしき人が4人と黒いワンピースのようなものを着た男が
例の男子たちの部屋2012号室の前に立っている。
そのうちの黒い服の男が何か呟きながらドアを叩き続けている。
私と知子はとりあえず自動販売機の陰に隠れた。

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