見知らぬ公園

この怖い話は約 3 分で読めます。

しかし…やはり何度行っても、「あの公園」でなく、みんなが知ってる方のアスレチック公園しかありません。同じ道を来たはずだし、公園の前の社宅も同じなのに、「あの公園」がないのです。

「きっと、道に迷って付いた公園だったんだ…そしてもう見つからないんだ…」

帰宅しようと自宅に向かっている途中で、私はお気に入りのうさぎの鞄がないことに気づきました。おばあちゃんが買ってくれた大事なものです。多分公園に忘れたのでしょう。
まだ帰宅時間には間に合います。私は鞄をとりに公園に引き返しました。

64 本当にあった怖い名無し sage 2010/07/15(木) 23:04:11 ID:PWH1L+YW0
…そしたら…
…「あの公園」があるんですよ。

同じ道を引き返して、確かにアスレチック公園に来たはずなのに、さっきまでたくさんいた子どもが誰もいません。でも公園の前の社宅は変わらない。

「来なければよかった」
そう思ったのですが、本当に大切なウサギの鞄。一応探さなければ…と、自転車を公園の脇に停めて、「あの公園」の中を探すことにしました。

公園へ1~2歩入り、そこで私の足は止まりました。

ボロボロのアスレチックの真ん中にあるターザンロープの下に人影があります。誰も居ない公園に人影があるのも不気味ですが、それ以上におかしいのが、その人影の色が紫と黒の斑模様なのです。

しばらく見ていると、その人影はブヨブヨとスライムのようの伸び縮みし始めました。
大人の背丈~私と同じくらいの背丈の間を大きくなったり小さくなったりブヨブヨを伸縮を繰り返します。

怖くて逃げ出したいのですが、足がすくんでその場を動けません。立ち尽くしていると、声とも音とも付かない
「ブヒョヒョビョンビョンブヒョヒョビョンビョン」
という音が向こうから聞こえてきます。

音が聞こえた瞬間私は公園を飛び出し、自転車を死ぬ気で漕いで泣きながら家に帰りました。
お母さんにこの事を伝えたのですが「夢を見たんでしょ」と笑われ全く聞いてくれませんでした。

65 本当にあった怖い名無し sage 2010/07/15(木) 23:06:06 ID:PWH1L+YW0
それ以来、あまりに恐ろしかったからか、この記憶は完全に消えていたのですが、青鬼があのときの人影を見たときの不気味にそっくりで、突然思い出しました。

アスレチック公園は、公務員の社宅を建て直す際に取り壊されて、今はもうありません。

ただ…

この前実家に帰ったとき、車で、元「あの公園」の付近を通った瞬間
一瞬だけ、今はもう無いはずの、昔の「あの公園の前にあった公務員社宅」が見えたんですよね…

気のせいだと思っていますし、「あの公園」も夢だったと思うようにしていますが…
地元には帰りません。帰っても二度と「あの公園」の近くには行かないことにします…

長々すいません。本当に怖かったのですが、周りの友達みんな怪談大嫌いなので、誰にも話せなくて…

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