この怖い話は約 2 分で読めます。

『助かった。今度こそ』

そう思った。
わけもなく。
ただ絶対自分は助かったという安心感があった。
私は視線を外から学校へと向けた。
ばりばりとの距離がどれだけ縮まっていたのか確かめておきたかった。
振り向いた瞬間、私は再び肝を冷やした。
ばりばりとの距離は無きに等しかった。
もう目と鼻の先にあいつがいた。
私の頭蓋骨を両手で掴みとらんとばかりにこれでもかと伸ばした状態で固まっていた。
そしてあいつはこう言った。

「今度は殺せると思ったのに」

そこで私は目が覚めた。
当然のごとく全身は汗びっしょり軽くめまいすらした。
起きて私がした行動は、この夢を忘れないようにノートにメモを取ること。
あまりにも怖い夢だったので後で誰かに話したかったのだ。
しかしメモなんて滅多にしたことないのですぐにノートは見つからなかった。
本棚の奥にあった古びたノートをやっと見つけ、開いた瞬間また私は絶句した。

【ばりばりばりばりばりばりばりばりばりばりばりばり】

ノートの最後のページには確かにそう書いてあった。
私は恐怖のあまりしばらく動けなかった。
一度目の夢はほとんど記憶にないが、わりと楽に逃げ切れた気がする。
二度目は今話した通りだ。
でも三度目は・・・
考えただけでぞっとする。
はっきりいって今度またあの夢を見たら逃げ切れる自信はない。
もし今後、新聞かなにかで【寝たまま死んでしまった人】なんて記事があったら、それはもしかしたら私かもしれない。
絶対そんなことはおきてほしくないけど。

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