透明の電車

この怖い話は約 3 分で読めます。

これは、とある事がキッカケで霊感(?)を得た、オレと母の話(長文になります)

家は社宅の二階
オレと姉、そして母の三人家族。父親は別居していた。
中学卒業を間近にひかえた初春のある日の夜、受験の圧力からは解放されていたオレは、コタツに入ってダラけながらテレビを視聴。母も一緒。姉は風呂(←いつも風呂入ってる)
時間はハッキリ覚えてないが、終電の時間は過ぎていた。 そう終電。
家のベランダから電車の通る高架線までは、目と鼻の先。なので、電車が走っている時間帯は騒音によりテレビや電話は妨害される。
電車の通らなくなるこの時間帯は小さな幸せ。
母と共にバラエティー番組に夢中になっていた。
そんな時。

 

そんな時、番組の司会者のユーモアたっぷりの司会が途切れた。
電車の音
母と一瞬顔を合わせる…が、すぐにテレビに向き直る
(チッ…なんだよ…まだ何か走ってんのかよ…)
終電終わったハズなのに、何かが走る…そんなことはまぁ珍しくはなかった。点検やら修理やらで(あと貨物とか?よく知らないケド)そういう車両がたまに走ることは知っていた。
そしてまたコタツで談笑…するハズが、そうならない。
電車の音が終わらない…。
(?どんだけ長いのが走ってんだ!?)
非日常的な出来事にさすがに不信に思った。と、同時に母が立ち上がった。
そして一点を見つめてる。ベランダへ繋がる戸(冊子?)にかかるカーテン。
電車の音の中、オレはイヤな予感がした…

 

カーテンに近づく母
『ちょっ…!待って!!』
オレは母を止め、隣の部屋に木刀を取りに走った。そして母のもとへ戻った。
母は今まさにカーテンを開ける瞬間。いつでも母をかばえる形で構えたつもりのオレ。
母は無言でカーテンを開けた。
高架線まで約50メートルほどだろうか…明るい月明かりの下、確かな電車の走行音。…だけど走る電車の姿は見えない。
見えるのは…『人』のみ
一番しっくりくる表現は『透明な電車と、それに乗る人々』
間違いなく人が流れていた。高架線の壁により腰より上しか見えないケド、確かに人。
ただ突っ立ってるような人もいれば、まるで吊革に掴まるような格好の人もいる。
…流れていく人々はすべて、オレと母を見てた様に感じた。
ここでオレ、チビる

 

オレはしばらく呆然としてた。母もおそらく。
その流れを何人分見送ったか分からないケド、オレと母は結構長い間それを見てた。
『ガチャ!!』
家の中からの不意の音に、オレと母は
『ヒィッ…!!』
ハモった。
姉が風呂の戸を開ける音で我に返った。
…いつ消えたのか、電車の音が聞こえなくなってた。
…人もいない。
母のキョドった顔見て、オレが見てたモノは幻じゃないと半ば確信。
その後しばらく母と何か会話したが、細かい内容は忘れた。

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