私は急にバイトが決まり、しかも行きたかった場所だということも
あってホっとした。しかし何かおかしい。私は鼻歌を歌いながら
カップメンを作った。何か鼻歌もおかしく感じる。日はいつのまにか
とっぷりと暮れ、あけっぱなしの窓から湿気の多い生温かい風が
入ってくる。私はカップメンをすすりながら、なにがおかしいのか
気付いた。
条件は良く、お金を稼ぎながら旅行も味わえる。女の子もいるようだ。
旅館なら出会いもあるかもしれない。だが、何かおかしい。
暗闇に窓のガラスが鏡になっている。その暗い窓に私の顔がうつっていた。

なぜか、まったく嬉しくなかった。。理由はわからないが
私は激しく落ちこんでいた。
窓にうつった年をとったかのような生気のない自分の顔を見つめつづけた。

469 名前:sage 投稿日:03/07/02 02:06

次の日、私は酷い頭痛に目覚めた。激しく嗚咽する。風邪、、か?
私はふらふらしながら歯を磨いた。歯茎から血が滴った。
鏡で顔を見る。ギョッとした。目のしたにはくっきりと墨で書いたような
クマが出来ており、顔色は真っ白。、、、まるで、、、。
バイトやめようか、、とも思ったが、すでに準備は夜のうちに整えている。
しかし、、気がのらない。そのとき電話がなった。
「おはようございます。○○旅館のものですが、神尾さんでしょうか?」
「はい。今準備して出るところです。」
「わかりましたー。体調が悪いのですか?失礼ですが声が、、」
「あ、すみません、寝起きなので」
「無理なさらずに。こちらについたらまずは温泉などつかって頂いて構いませんよ。
初日はゆっくりとしててください。そこまで忙しくはありませんので。」
「あ、、だいじょうぶです。でも、、ありがとうございます。」
電話をきって家を出る。あんなに親切で優しい電話。ありがたかった。
しかし、電話をきってから今度は寒気がしてきた。ドアをあけると眩暈がした。
「と、、とりあえず、旅館までつけば、、、」
私はとおる人が振りかえるほどフラフラと駅へ向かった。

やがて雨が降り出した。
傘をもってきてない私は駅まで傘なしで濡れながらいくことになった。
激しい咳が出る。「、、旅館で休みたい、、、、」
私はびしょぬれで駅に辿りつき、切符を買った。そのとき自分の手を見て驚いた。。
カサカサになっている。濡れているが肌がひび割れている。まるで
老人のように。「やばい病気か、、?旅館まで無事つければいいけど、、」

470 名前:sage 投稿日:03/07/02 02:06

私は手すりにすがるようにして足を支えて階段を上った。何度も休みながら。
電車が来るまで時間があった。私はベンチに倒れるように座りこみ
苦しい息をした。。ぜー、、、ぜー、、、声が枯れている。
手足が痺れている。波のように頭痛が押し寄せる。ごほごほ!咳をすると
足元に血が散らばった。私はハンカチで口を拭った。血がベットリ。。
私は霞む目でホームを見ていた。
「はやく、、旅館へ、、、」
やがて電車が轟音をたててホームにすべりこんでき、ドアが開いた。
乗り降りする人々を見ながら、私はようやく腰を上げた。腰痛がすごい。
フラフラと乗降口に向かう。体中が痛む。あの電車にのれば、、、、
そして乗降口に手をかけたとき、車中から鬼のような顔をした老婆が
突進してきた。

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