この怖い話は約 3 分で読めます。

そんなときに、T君が、「この素晴らしい風景を、四人一緒に写真に収めておこう!」と言って、ポラロイドカメラを出し、それでひときわ幹の太い立派な桜をバックに写真を撮りました。
見事なな写真が撮れました。

でも、変なのです。夜だから、余計な光が入る心配も無し、開けた場所だから、フラッシュが反射して変色する心配も無いんですけど、写真が、なんとなく薄い赤色を全体的に帯びているのです。

T君は、こういうこともあるさ、と言って、もう一回全員で写真を撮りました。
しかし、またも、同じ現象が起こったのです。
T君は、「広い範囲で撮るから、余計なものが入るのかもしれない。

フィルムに余裕はあるし、一人づつ撮ろう。」と言って、私、Yさん、I君、T君の順番で撮ることになりました。

まず、私の撮影です。
コレはうまく行きました。
つぎのYさん、うまく行きました。

問題はそのつぎのI君でした。
1度目で撮れた写真は、さっき撮ったのより、なんとなく赤みが強くなっているようにみえる写真でした。

そこでもう一回。今度は、なんだか、I君の周りに、赤ではなく、黄色に近い色の薄いビニールのようなものが、なんとなく移っている写真でした。

気味悪がりながらも、Iくんは、もう一回撮るようにT君にお願いしました。

そして出てきた写真を見て、T君は、「なんだあ、なんか変だ!」といって、
私達のほうに駆け寄ってきてその写真を見せました。

その内容は、かなり凄惨なもので、I君の手や顔はほとんど隠されるほどに
数え切れないほどの黄色い手がI君の体に四方八方から絡んできて、さらに、I君の体の黄色の手に絡まれていない部分(下半身)も、鮮烈な赤色に染まっていました。

I君は、これを見せられた後、一つの事実を告白しました。
その内容は、次のようなものでした。
「今日、昼休みの後、印刷室で、コピー気を回してる間、木箱をいじっていたら、ついに木箱があいたんですよ。

だけど、中からは、ぼろぼろの布袋が出てきて、それに、
「天皇ノタメ 名誉の死ヲタタエテ」
って書いてました。開けてみたら、大量に爪と髪の毛の束が出てきて、
不気味だから、焼却炉に捨ててしまいました。」

私達は、すぐに、それをお寺に持っていって、その話をして、写真を供養してもらえるように頼んだんですけど、お寺の住職さんは、「あなたのしたことは、とても危険なことです。あなたがたの持ってきたその写真を供養しても、霊の怒りは静まりません。

その木箱を持っていらっしゃい。それを供養してあげれば、中に閉じ込められていた魂も救われます。ぜひ持ってきてください。」
と言って、寺の住職は、ひとまず今日は帰るように促しました。

しかし、結局、I君と会うのは、その日が最後になりました。
次の日の朝、I君が、昨日の帰宅途中、自宅近くで自動車に衝突され、胴体が切断され、下半身は、炎上する車のタイヤに巻き込まれたままいっしょに焼け焦げ、上半身は、そこから20メートルくらい離れたところにあり、即死だったとのことです。

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