この怖い話は約 3 分で読めます。

名乗るようなものですし犯人もそれならば…と思ったのでしょう、
そそくさと逃げていきました。
次の夜黄村さんの塩辛の秘密を教えてもらえると聞いて村人全員とは
言わずともたくさんの村人が集まった。
まず集まった村人にいつもの塩辛を振る舞い、楽しんでもらってから
製法を公開することになった。
黄村さんは脂汗まみれでぶるぶる震えながらずっとぼそぼそ
「嫌々…嫌々…」と呟き、体調がすごく悪いようでした。
ただ皆が塩辛を楽しんだのを見届けた黄村さんは汗まみれの蒼白な顔に
薄笑いをうかべ手際よく塩辛を作り始めた。
イカの内蔵をぐちょりギちゅぐちゃりぐちゃりぐちょりとつぶし
短冊切りにしたイカを混ぜ合わせていき最後に灰色の白子のような物を
入れ更ににちゃにちゃにちゅにちゃにちゃにちゅと混ぜ合わせました。
いたって普通の作り方でした。

77 塩辛 sage 2010/02/23(火) 21:48:51 ID:1JyxS1TV0
今のは白子か?と村人が聞くと黄村さんは蒼白な顔で

「それは脳です」 村人はざわつきました。

「お前らに苛め、むごたらしく殺された私の家族の脳ですあはあはあは」
実は村八分に堪えきれず娘と妻は数年前に自殺した事になっていたのですが
新入り仲間内では妻と子供は村人に偽装自殺させられていたと
噂になっていました。
詳しい死の状況はとてもきけませんでしたが妻だけでなく幼い娘にまで
今でいうレイプされたような痕跡があったそうです。
ですがろくに調べもせず「自殺」と断定されてしまっていたのです。
お葬式は新入りの仲間内で行われ、遺体も正常な状態でした。
恐らく黄村さんは殺された家族の身体を傷付けぬよう、鼻から鉄の棒を
差し入れ脳を引きずり出し、かきだし保存していたのでしょう。
その掻き出した脳を混ぜ込んだ特製の美味しい塩辛を村人に食べさせ
続けていたのです。
そして最後に黄村さんは青白い顔で
「お前らをのろう…ぃぁぃ…ぁ…は…たぁ…ぃぁぃぁはあは…」
と言いながらその場で笑いながら絶命しました。
絶命間際まで「嫌々?」とずっと呟いていたそうです。

78 塩辛 sage 2010/02/23(火) 21:49:44 ID:1JyxS1TV0
その後黄村さんの遺体を調べると腹に真新しい縫い傷があり、
開くと肝臓がどこにもなかったそうです。
黄村さんの家には恐らく抜き出された肝臓(半分ほど)と家族の遺体から
掻き出したと思われる脳が少量保存されていました。
残り半分の肝臓は…恐らく…。
最後の言葉から迫害され殺害された家族の脳と自らの肝臓を
村人に食べさせることで何らかの呪いをかけようとしていたと思われます。
結局呪いがどうなったのかはわかりません。
ほとんどの村人は無事でしたが(当然精神に異常をきたす村人は多数
でたそうな)、その事件の後なぜかある家族と村長の息子がお腹が

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