この怖い話は約 3 分で読めます。

そしてとうとう突き当たりに差し掛かったとき、強烈な異臭が俺の鼻を突いた。
俺はBとまったく同じ反応をした。
俺「うっ」

異様に臭い。生ゴミと下水の匂いが入り混じったような感じだった。
(なんだ?なんだなんだなんだ?)
そう思って当たりを見回す。

その時、俺の目に飛び込んできたのは、突き当たり踊り場の角に
大量に積み重ねられた飯だった。
まさにそれが異臭の元となっていて、何故気づかなかったのかってくらいに
蝿が飛びかっていた。
そして俺は、半狂乱の中、もうひとつあることを発見してしまう。

2階の突き当たりのドアの淵には、ベニヤ板みたいなのが無数の釘で打ち付けられていて、
その上から大量のお札が貼られていたんだ。
さらに、打ち付けた釘に、なんか細長いロープが巻きつけられてて、くもの巣みたいになってた。

俺、正直お札を見たのは初めてだった。
だからあれがお札だったと言い切れる自信もないんだが、大量のステッカーでもないだろうと思うんだ。

明らかに、なにか閉じ込めてますっていう雰囲気全開だった。

俺はそこで初めて、自分のしたことは間違いだったんだと思った。

「帰ろう」
そう思って踵を返して行こうとしたとき、突然背後から

「ガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリ」
という音がしたんだ。

ドアの向こう側で、なにか引っかいているような音だった。

そしてその後に、
「ひゅー・・ひゅっひゅー」
不規則な呼吸音が聞こえてきた。

このときは本当に心臓が止まるかとおもった。

(そこに誰かいるの?誰?誰なの?)←俺の心の中

あの時の俺は、ホラー映画の脇役の演技を遥かに逸脱していたんじゃないかと思う。

そのまま後ろを見ずに行けばいいんだけど、あれって実際できないぞ。
そのまま行く勇気もなければ、振り返る勇気もないんだ。
そこに立ちすくむしかできかった。

眼球だけがキョロキョロ動いて、冷や汗で背中はビッショリだった。

その間も
「ガリガリガリガリガリガリ」
「ひゅー・・ひゅっひゅー」
って音は続き、緊張で硬くなった俺の脚をどうにか動かそうと必死になった。

すると背後から聞こえていた音が一瞬やんで、シンっとなったんだ。
ほんとに一瞬だった。瞬きする間もなかったくらい。

すぐに、「バンっ!」って聞こえて
「ガリガリガリガリガリガリ」って始まった。

信じられなかったんだけど、それはおれの頭の真上、天井裏聞こえてきたんだ。
さっきまでドアの向こう側で鳴っていたはずなのに、ソレが一瞬で頭上に移動したんだ。

足がブルブル震えだして、もうどうにもできないと思った。

心の中で、助けてって何度も叫んだ。

そんな中、本当にこれも一瞬なんだけど、視界の片隅に動くものが見えた。
あのときの俺は動くものすべてが恐怖で、見ようか見まいかかなり躊躇したんだが、
意を決して目をやると、それはAとBだった。
下から何か叫びながら手招きしている。

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bronco

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  • 漁に小さい子供を連れて行っても足手まといになるだけだから連れて行かないよ

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