この怖い話は約 3 分で読めます。

自分の田舎の話ね。
自分の地元はクソ田舎で、耳は遠いし同じことは何回も言うじいちゃんばあちゃんがいっぱい住んでる田舎なんだけどさ。
8月と12月に「一二(人?)様」っていう行事みたいなのが行われてるのね。
いつもは地域行事にも参加しないうちの足の悪いばあちゃんも、その日になると俺に仕事の休みを取らせて車で送り迎えを
してくれっていうんだ。
で、ばあちゃんから「8月3日の一二様のお祭りにいきたいから休みを取ってくれ」って言われた。その日はもとから仕事が休みだったので、送ってあげることにした。
8月3日の朝。足の悪いばあちゃんをやっとの思いで車に乗せて一二様のお祭りが行われる公民館の近くの祠へ向かった。
「一二様」という言葉は聞かされていたけど、実はまだどんなものなのか聞いたことがなかった。

259 田舎の名無し hiroiw1000@gmail.com 2013/10/03(木) 21:59:20.13 ID:YqfvpVvW0
そこで、車の中で俺は、ばあちゃんに何気なく聞いてみた。
「なぁ?一二様のお祭りってなんなの?」
そうするとばあちゃんはこういった。ちなみに地元の方言のまま書く。わからなかったら聞いてくれ。
「おまん、一二様知らんがぁか。・・・一二様ってのはこの地域の神様だすけ。こうやってお参りに行くがど」
俺はその言葉を聞いて、少し耳の遠いばあちゃんのためにゆっくり大きくこういった。
「ばあちゃん足も悪いんだから無理してでなくてもいいんじゃないの?
今日は休みだったからいいけど、俺だってそんな毎回都合よく休み取れるわけでもないんだよ?」
そうするとばあちゃんは怒ってこういった。
「あったかさ!(ばかやろう)一二様にお参りしねーとバチあたらぁど!」
そうこうした会話をしている間に公民館の駐車場についたので、ばあちゃんを降ろす。ここからは毎回ばあちゃんは一人で歩いて
祠まで行く。
「終わったら電話するすけ、携帯持っとけなぁ」
(ばあちゃんには80のお祝いにラクラクフォンを買ってあげてある。)
「うん。じゃあまた終わったらここまで迎えに来るね。」

260 田舎の名無し hiroiw1000@gmail.com 2013/10/03(木) 22:00:39.59 ID:YqfvpVvW0
—ばあちゃんから電話が来たのは2時間後ぐらいである。迎えにきてくれという内容の電話だったのだが、
なにやらばあちゃんの声に元気がない。
気になりながらも公民館の駐車場に迎えに行くと、既にばあちゃんは駐車場まで来ていて、
青ざめた顔をしてご近所さんのおじいちゃんおばあちゃんと話をしていた。青ざめた顔をしていたのはばあちゃんだけではない。
隣の家のばあちゃんも遠い親戚関係らしい家のおばあちゃんもその場所にいたみんなだ。
変な空気に割って入るのには嫌だったのだが、8月なのでとてつもなくあつい。溶ける。
早く帰って冷房を効かせた自室に戻りたいと思いばあちゃんに、
「おーい。迎えに来たぞ。のって。」
と窓を開けてばあちゃんに言う。ばあちゃんは地域の人に挨拶をして車の方へ杖をついて歩いてくる。
ばあちゃんが車に乗るのを手伝ってやろうと、車から降りてばあちゃんのところへ行くと、なにかうしろめたそうな顔をして
ありがとうといった。

Page: 1 2

bronco

Share
Published by
bronco

Recent Posts

ブライダルフェア

いや、たいして怖くないんだけど…

4年 ago

教祖の妻の肖像画

親が昔、へんな宗教にはまってた…

4年 ago

The Body

10年くらい前の話だけど・・・…

4年 ago

謎の曲

出所が分からない所からの楽曲ダ…

4年 ago

エレベーターで見たもの

じゃあ俺が生涯で一番ビビった話…

4年 ago

強烈な遺体

久しぶりに民話でなく現代の話を…

4年 ago