Categories: 洒落怖

柿の木

この怖い話は約 3 分で読めます。

つい最近怖い体験してさ、すごい話したいから書くわ。

俺は自営業の手伝いしてんだけど
12月の始めに長めの休日をもらっんだ。
正月は忙しくなるので、いい機会だと思って
半年振りくらいに実家に帰ったんだ。
やっぱりこっちは雪が多いとおもったね。

次の日、家でゆっくりしてたら雪かきでもしろと言われ
俺もいい子ちゃんだから雪かきをしていた。

そしたら成り行きで、近所の老夫婦の家の雪かきも
することになったんだ。雪かきは結構疲れるから老体にはつらい
老人には優しくする俺は快く雪かきしにいったんだ。

俺が「うぇーい、ばあさん!!この俺が雪かきしにきてやったぞ」
というとばあさんが「あ~あ~ヒヒッ」と言いながら乳母車引いて
外に出てきた(俺の故郷は足が悪くなった婆は乳母車引いて歩く)。
最近ボケ始めてきたらしいが、俺のことは覚えていてくれて少し嬉しかった。

俺が雪かき始めると、ばあさんは座って昔話を語り出した。
この婆は語り部っていうのか?よく村の児童館みたいな所にきて昔話をしていた。
最近はこの大きめな村でも小学生が52人しかいないそうで
児童館がなくなったからこの婆も語り部は辞めたみたいだけど。
とにかく昔話を話すのが好きなばあさんは、今日は俺の家について話し始めたんだ。

15 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2014/12/07(日) 02:11:43.00 ID:a1O+WaJk0.net
いつもは○○助が腰ぬかしただの、あの山から鬼がきて悪い子をさらっただの
そういう話しかしないから少し興味を持ち、話を聞いた。

「なの家(お前の家)はNの姫が武士に殺された場所でな(Nは俺の本家の苗字)
呪われとる」という話だった。
そんな話を祖母祖父からも聞いたことがあり、俺は好奇心が湧いて更に詳しく
聞きたいと思い、家にお邪魔することにした。家はなんか石鹸みたいなにおいがした。

ばあさんは俺にココアを出した。なぜか隣の家のばあさんと
その奥の家のばあさんも来て、3人の話を俺が聞く形になった。
ハーレムかもしれないが、俺はまったく嬉しくなかったぞ。
ばあさん達の話は世間話が多く、あまり進まなかったからまとめるとこうなる。

その昔(150~200年くらい前だと思う)、N(俺の爺さんの実家)家は地主だか村長
だった。その娘(姫ではない)はたいそう可愛いらしかったんだそうだ。
そんで、その娘は山に山菜を取りにいき、そこで数人の山伏(本当に山伏は知らん)
と会い、大変失礼なことをしてしまった。激怒こぷんぷんな山伏はその娘を殺そうとしたらしい。
娘はがんばって逃げたけど、丁度俺の家あたりで首をはねられて殺され、その死体は柿の木に
縛り上げられた。それをみた地主はたいそう悲しみ、その土地に別荘を建てて
供養したり(供養になってんのかな?)、山に人を寄らせなくしたんだそうだ。

Page: 1 2 3

bronco

Share
Published by
bronco

Recent Posts

ブライダルフェア

いや、たいして怖くないんだけど…

4年 ago

教祖の妻の肖像画

親が昔、へんな宗教にはまってた…

4年 ago

The Body

10年くらい前の話だけど・・・…

4年 ago

謎の曲

出所が分からない所からの楽曲ダ…

4年 ago

エレベーターで見たもの

じゃあ俺が生涯で一番ビビった話…

4年 ago

強烈な遺体

久しぶりに民話でなく現代の話を…

4年 ago