Categories: 洒落怖

都会の地下に潜む者ボリ

この怖い話は約 3 分で読めます。

都会の地下に潜む者

みなさん、暗渠(あんきょ)って知ってますか?
地下にある川のことで、普段は大きな地下通路として都市の下にあります。
雨水管や地下鉄と繋がっていて、大雨時には放水路になります。

私たちが学生の頃、そこを探検するのが流行っていました。
東京のとある大河川の暗渠によく潜っていましたね。
入るのは簡単で、川沿いに開いた入口から上流へ歩いていくのです。

数人で懐中電灯を持って出かけます。
見つかると怒られるので、大抵は夜間にこっそりと行くのです。

ハトの寝床らしく、入口に大量のハトがいたこともありました。
遠くから地下鉄の音が聞こえる場所もありました。
穴が下向きに蛇行して地下水路の入口になっている場所もありました。
何度か行った感想ですが。
非日常空間が日常の下に拡がっているわけです。

楽しい暗渠探検でしたが、あるときを境にキッパリやめました。
それがこれから話す事件です。
33 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2015/03/06(金) 09:06:31.22 ID:ETH2J6TN0.net[2/7]
その日に探検した暗渠は、比較的大きな規模でした。
四角形の入口は、高さ5mで横幅10mほど。
入口を少し進むと、高さ3m位の丸穴がどこまでも続いていました。

5分ほど進めば、入り口の明かりは全くみえません。
穴の中には明かりもほとんどありません。
懐中電灯を消せば周囲は何もない闇です。

この暗渠、基本は一本道ですが、途中には幾つかの横穴がありました。
人が入れない位の小さな雨水管はいくつも開いてました。
人が入れるくらいの横穴で、マンホールに通じてる穴もありました。
調節池と思われる深さ10m位の井戸の様なものもありました。
ここには蛍光灯や点検口があり、たまに人が出入りしてると想像できます。

一本道を寄り道しながら歩いて、30~40分くらいでしょうか、
穴の最奥部に辿り着きました。

学校の教室位の空間があり、天井は5m近くありました。
出口らしきものを見つけて梯子を上がってみました。
しかし、そこから出ることは出来ませんでした。
硬い金網の蓋ががっちり固定されていて、蓋が外れないのです。
外の風景は見えました。
どうやら内陸にある公園を流れる小川の縁みたいです。
距離にして数kmは歩いたことが、そのとき判明しました。

仕方なく元来た道を歩いて戻ることにしました。
34 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2015/03/06(金) 09:18:09.20 ID:ETH2J6TN0.net[3/7]
来た道を数分戻ると、また前後は真っ暗闇になりました。

てくてく歩いてる最中、突然一人が立ち止り言いました。
「おい、なんか変な音がしないか?」
全員歩みを止め、声を出さず、耳をすまして音を探しました。

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