Categories: 洒落怖

拾った女

この怖い話は約 3 分で読めます。

洒落怖になるかわからないけど…
先週の金曜日の話。
うちの会社は、IT系の企業が固まってるエリアで街から少し外れた郊外にある。
夜中にもなると辺りは真っ暗になるし、バスも22:00くらいが最終便。
で、まぁ仕事柄結構遅くまで残業してることがあるんだけど、その日も夜中2:00くらいになってしまった。
自分が最後だったので、会社の戸締まりをして、駐車場にある車へ向かっていた。
戸締まりをすると、会社周辺とか駐車場の街灯とかも全部消えてほんとに真っ暗になってしまうので、携帯のライトを足元に照らして歩いていた。

すると突然、「キキキキキーッ!!」っと、なんか自転車の急ブレーキのような音が少し遠くから、でもはっきりと聞こえてきたもんで、ビクッとなってしまった。
ちょっとビビったから小走りに車へ向かった。

869 本当にあった怖い名無し sage 2012/08/06(月) 13:04:22.23 ID:Npaxpfea0
車に着いてホッと一息、安心してエンジンをかけたと同時に、車のAUTOライトが点灯。

ばっと照らされたその先には、倒れた自転車が。

その瞬間、ほんの少し前に聞いた、自転車のブレーキ音と頭の中でリンクしてしまい、血の気が引いたのがわかった。

焦ってパーキングからドライブにいれ、ライトをハイビームに。
すると、さっきは見えなかった位置、倒れた自転車の奥に、倒れた人影が見えた。

大分躊躇したけど、はっきり見てるのに放置して逃げる方が、なんか後が怖い気がして、意を決し車を寄せて、「大丈夫ですか?」と声をかけた。

結構若い女の人だった。見た目、多分、25~6くらい。

返事がないので、さらに「救急車呼びますか?」と聞いた。

すると、「…って…」
聞き取れなかったので、聞き返すと、
「一番近いバス停まで送って…」と。

はっきり言って大分後悔した。

仕方がないので、助手席のドアを開けて、「どうぞ」と促したが、勝手に後部座席のドアを開けて乗り込んできた。

870 本当にあった怖い名無し sage 2012/08/06(月) 13:05:57.99 ID:Npaxpfea0
もう一番近いバス停なんてここから3分くらいだし、さっさと降ろそうと思い、車を出す。
着くまでは終始無言。
ミラーで様子を伺おうとしたけど、運転席の真後ろに座ってるもんで、全く見えん。

で、あっという間にバス停に。
徐々にスピードを落とし、停車しようとすると、

「ここじゃなーーーいっ!!」

と、心臓止まるかと思うくらいの大声で突然怒鳴られた。

「ええ…じゃあ次の○○バス停ですか?」

「そう」

仕方なく、再度発進。

次のバス停までは5分くらい。
気にしないようにしてたんだけど、時折、「くくくっ…」って泣いてるのか、笑いを堪えてるのかわからない声が真後ろから…

そうこうしてるうちに着いたら、声をかける間もなく車から降りてた。

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