トンネルにて

160 前スレ>>933後日談 sage 2006/11/03(金) 15:20:01 ID:V0jk0lgW0
「・・・いや実はさ、Mのことなんだけど、アレ僕の悪戯なんだ。」
「え?えぇ!?」
またまたとんでもない事を言う。悪戯?夢の中で?
「そんな事できるんですか?」
もうこの人なら出来るんだろう。案の定の答えが返ってきた。
「出来るよ。そういうシチュエーションを作れば。昨日車の中に乗り込んじゃった奴がいるでしょ?」
「あぁ、そういえば奴の事後処理を聞いてなかったですね。やっぱり除霊とかしたんですか?」
「とんでもない、僕は霊媒師じゃないんだから。もちろん、送ってきたよ。」
送ってきた?どういうことだ?いやいや、冷静に考えると・・・考えたくもない。
「あの後君たちを送ってから、Tトンネルにまた戻ったんだ。ずっと僕の車にいてくれても困るし、
かといって気まぐれでいつか車を降りてくれるのを待つのもねぇ・・・。」
トンネルに着いた先輩が思いついたのが、電話でトンネルの様子を実況中継をしようというモノだった。
ターゲットを吟味することになったが、まず俺はダメだった。俺は同い年の幹事を務めていた。
先輩も幹事だったので、お互いに番号を知っていたのだ。
「第一、K(俺)よりもMの方が成功しやすそうだったからね。」

なんでも、前スレの肝試しの最中、Mが気分を悪くしたのは、先輩が呼び寄せた霊のせいだったのだという。
単純な車酔いではなかったとは思っていた。Mが車酔いをしてる所なんて見たことがなかったし、むしろ俺の方が酔いやすい体質だった。
「Mは僕に寄ってくる霊と波長が合うんだろうね。すごく敏感だった。」
Mは先輩の番号を知らなかった。しかし、先輩は偶然(?)車に名簿を入れていたので、調べることができたのだという。
さっそくMの携帯にかける。出ない。相当疲れてたのか。と先輩は諦めようかと思ったが、留守電に繋がったので、
とりあえずメッセージを残すことにした。かといって何か言うにしても適当な文句が思いつかず、無言電話になったというわけだ。
Mの言っていた「風」というのは、恐らくトンネルの中を吹き抜けた風のことだったんだろう。

161 本当にあった怖い名無し sage 2006/11/03(金) 15:21:01 ID:V0jk0lgW0
「夢の中で僕の電話が掛かってきたってのはわかる。実際に掛けたんだから、横で携帯が鳴ってることになる。
現実世界での現象が夢の中に現れるのはよくあること、ってことは君もTVやら何やらで聞いたことがあるだろう。
だけど、まさか夢の中で電話に出ちゃうとはね・・・。」
俺はこの時、Mがここに居なくて本当によかったと思った。俺がアイツの立場なら発狂しかねない。
「僕もこんな事になると思ってなかった。いや、確かに何か起こるかもしれない、とは思ったけど・・・。
夢の中で僕の留守電を聞いた。しかも現実に残したメッセージと同じ内容を、だよ。」
マジで怖い。この世で一番怖いのは幽霊ではなく人間だ。というのは間違ってない。
「それで、アイツには伝えるべきですかね?」
「う~ん、もう彼は単なる悪夢だと思ってるだろうし、別にいいんじゃない?多分害はないし。」
それだと今日一番損をしたのは俺ってことじゃないか。
なんで一番無関係な俺がここまで怖い思いしなきゃいけないんだ・・・。
「まぁ、Mがそんなに霊に敏感な奴だとは思わなかったし・・・予想以上に怖がってたもん。もうやらないよ。」
嘘だ。この笑みは絶対に嘘だ。この人はまたいろんな悪戯を打ってくるはずだ。次の標的は俺かもしれない。

この日からしばらく、眠るのが怖かった。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。